著者
小野寺 謙
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.387-394, 2011 (Released:2013-09-14)
参考文献数
12
被引用文献数
1

通常学級に在籍する小学5年女児の注目機能を有するかんしゃく行動(過度に泣いたり、叫んだりする行動)を改善するために、対象児の級友が対象児を日常的に強化していく非随伴強化手続きを導入した。具体的には、級友が対象児への対応の仕方を学習し、帰りの会で対象児の1日の行動を評価した。その結果、かんしゃく行動はほとんどみられなくなり、それはフォローアップ期においても維持された。さらに、学級全体による取り組みにより、級友の問題行動に対する接し方が変容した。意図的、視認的な支援手続きを実行することにより、対象児と対象児を取り巻く級友の行動が変容されうることが示された。
著者
小野寺 謙 野呂 文行
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-13, 2006-05-31 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
3

自閉性障害の小学生2名を対象に、見本刺激と比較刺激に対する反応分化手続きの導入が見本合わせ課題の獲得を促進するかどうかについて検討した。研究1では、児童1名に対して、絵-ひらがな単語間の見本合わせ課題に関して、反応分化手続きを導入した。その結果、比較刺激に対する反応分化手続きの導入が効果を示す一方で、見本刺激に対する反応分化手続きは促進効果を示さなかった。研究2では、児童1名に対して、カテゴリー弁別の課題において反応分化手続きを導入した。その結果、見本刺激と比較刺激の両刺激に対する反応分化手続きの導入によって、見本合わせが成立した。反応分化手続きの促進効果について、見本合わせ課題の下位スキルである、見本刺激の継時弁別および比較刺激の同時弁別の成立という観点から考察を行った。