著者
盛屋 邦彦 長岡 健 山本 文 小野田 哲弥
出版者
産業能率大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

今年度の研究作業としては主に昨年度後半から学習ポートフォリオシステム(CoCoCo)を試験的に実際の授業に適用した。適用した授業は昨年度から合計すると全部で7科目となった。その中から学生の利用ログを用いて学習の分析を行った。その結果、学生がポートフォリオ(レポート)を作成する上で、みずからが考えなければならないものについては、他の学生のポートフォリオを参照する傾向があることをみいだした。このことはCoCoCoがゆるやかな(学生間の関係が強くない)協調学習の環境として効果的に働いたものとして評価できる。このことについては学会への発表および論文としてまとめた(経営情報学会春季全国研究発表大会、産業能率大学紀要)。またCoCoCoシステムについては改良を行い、応答時間の改善を図り、システムの利点や機能・アーキテクチャについて、実際の開発に携わった学生が学会にて発表を行った(CIEC PC Conference学生論文賞受賞)。CoCoCoについての学生側からの意見についてはアンケートを実施することで収集し、現在の学生が(1)どのような環境で学習をするのか適切か?(2)電子ポートフォリオはどのように形成されるか?(3)今後、システムとしてどのような機能を入れるべきかについて分析・考察した。その結果、電子ポートフォリオは学生みずからの過去の内容、及び他の学生の内容を参照するという点でCoCoCoのようなSNSを利用することは効果的であることが再確認された。また機能的には、現時点での学生の考え方をリアルタイムに教員ヘフィードバックできる機構が必要であることがわかった。今後は、このリアルタイムでの教員へのフィードバック機能として、アンケート機能をCoCoCoに付加していくことを検討している。また、より学生間の関係が強い、いわゆるグループワークに適した環境も追加していくことを考えている。
著者
小野田 哲弥
出版者
慶應義塾大学湘南藤沢学会
雑誌
Keio SFC journal (ISSN:13472828)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.78-102, 2007-04

研究論文:自由論題本研究は、テレビ番組視聴質調査『リサーチQ』の回答履歴データを用いた実証研究である。情報バラエティ番組をそれぞれ4つのレイヤーとライフステージへと定量的に分類し、時系列検証を行った結果、3つの代表的ライフサイクルが存在することが明らかとなった。また本研究の独自性はロングテール論を参考に、視聴率の極めて低い深夜番組も分析対象としている点にある。昨今民放キー局において頻繁に行われている「深夜番組のゴールデンタイム進出」に注目し、その成功要因を普及理論とキャズム論の観点から検討した。 This is an experimental study based on the data from Research-Q, a web survey on the quality of TV programs. First, I divided all variety / information programs into layers and quantitatively identified the life-stage of each program. Second, time-series examination was performed on these programs. Finally, the result explained that there are three program-life-cycle patterns in general. The uniqueness of this research is that it refers to The Long Tail and deals with extremely low rating programs being broadcast at midnight. In recent years, it has become popular among key commercial stations to move midnight programs to golden hour. Therefore, I focused on these cases and investigated some success factors based on the diffusion theory and The Chasm.