著者
小野 守 小関 茂樹 斉藤 康倫 泉 徳和 松井 基純 大澤 健司 三宅 陽一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.780-783, 2008-10-20

人工授精(AI)後の陰唇刺激がホルスタイン種乳用牛の受胎率に及ぼす効果を評価するために、未経産牛295頭を用い、AI直後に手指による陰唇刺激を15秒間行って対照群と比較した。その結果、陰唇刺激群の受胎率は対照群よりも高かった(69.2% vs 64.7%)が、有意差はなかった。また、対照群において7月から8月に受胎率が低下する傾向が認められたが、陰唇刺激群では認められなかった。両群の受胎成績のTemperature-Humidity Index (THI)別の分析では、対照群において、暑熱ストレス条件下とされるTHIが72以上の場合の受胎率は、72以下の場合よりも有意に低かった(P<0.01)が、陰唇刺激群ではそのような差異は認められなかった。