著者
板橋 知子 佐々木 淳 倉持 好 御領 政信
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.549-553, 2011-07 (Released:2012-12-03)

オカメインコにおける甚急性型オウム嘴羽病(PBFD)の作出を目的として、PBFDウイルス(PBFDV)接種実験を行った.PBFDV抗体フリーのオカメインコの幼雛(1~7日齢)5羽にウイルス乳剤を筋肉内接種し、接積後1、3、4、6、10週に剖検、全身諸臓器の病理組織学的検索を行った.また、剖検時に採取した組織を用いて、PCR法による病因学的検索を行った.接種後3週以降の症例でPBFDVの感染が成立していることが確認されたが、発症時期や病理組織学的検索結果は甚急性型PBFDよりも急性型PBFDの特徴と一致した.これらのことから、孵化間もないオカメインコ幼雛がPBFDVに感染しても急性型PBFDを発症し、甚急性型の実験的再現は難しいことが明らかになった.
著者
鍵山 直子
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.63, no.6, pp.395-398, 2010-06-20
参考文献数
4

2005年の「動物の愛護及び管理に関する法律」(以下、動物愛護管理法)改正を受け、法を施行する環境省は「動物の愛護及び管理に関する施策を総合的に推進するための基本的な指針」(2006年)を定めた。動物を科学上の利用に供する行為は一般に動物実験とよばれ、動物実験にはそのために作出された実験動物がおもに利用されている。ところで、動物実験は動物愛護管理法の基本原則「みだりに動物を殺し、傷つけ、苦しめてはならない」に抵触する行為であろうか。正当な理由があるかどうかが鍵になるが、それは動物の範疇によって異なるという考え方が根底にある。
著者
石黒 直隆
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.225-231, 2012-03-20
被引用文献数
1

私のオオカミに関する遺伝学的な解析のきっかけは,約10年前,高知県仁淀村の旧家片岡家の屋根裏から発見された頭骨のDNA分析を依頼されたことに始まる。それまで遺跡から出土する古代犬の骨から残存遺伝子を分離し系統解析を行っていた実績から,ニホンオオカミのミトコンドリアDNA(mtDNA)分析を頼まれた。頭骨は天保8年(1837年)に捕獲されたもので,至近距離から銃で撃たれた弾痕が頭蓋骨に観察されるが,形とサイズとも一級品の試料であった。本試料の分析を通じてニホンオオカミについていろいろと調べるうち,国内のニホンオオカミ骨標本はきわめて少なく,DNA分析がほとんどなされていないばかりか分類学上の位置づけも不明であることが明らかとなった。この分析依頼をきっかけに,全国に散在するオオカミの骨を訪ね歩いては骨粉を採取し,絶滅したオオカミのmtDNA分析を行ってきた。本誌では,これまでの分析結果を基に絶滅した2種類の日本のオオカミの遺伝学的系統についてまとめてみた。
著者
村上 覚史 金澤 美緒 村田 亮 関口 真樹 大場 剛実
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.65-69, 2013-01-20

廃用牛における腸管内細菌の生体内移行(bacterial translocation:BT)を解明するため,廃用牛12 頭の臓器を細菌学的,病理学的及び免疫組織化学的手法を用いて調べた.その結果,腸間膜リンパ節(MLN)の91.7 %,肝臓の100 %及び脾臓の66.7%から腸管内細菌が分離された.グラム陰性菌では,Escherichia coliがMLN の16.7%及び肝臓の8.3%から,Klebsiella pneumoniae とPseudomonas aeruginosa が肝臓の8.3%から分離された.グラム陽性菌では,Bacillus 属,Enterococcus 属あるいはStreptococcus 属及びStaphylococcus 属が分離された.S. aureusの分離率はMLN で8.3%,肝臓で25 %,脾臓で8.3%であった.抗E. coliポリクローナル及び抗S. aureus抗体陽性抗原は両菌種が分離された臓器から免疫組織化学的手法で検出された.病理組織学的所見では,多くの検査牛の脾臓濾胞周縁帯に好中球集積層が出現し,MLN 及び脾臓の濾胞にセロイド顆粒の蓄積が目立った.これらの成績から検査した肝臓に異常がみられた廃用牛でBT 及び消耗状態が確認された.
著者
山根 逸郎 鎌田 晶子 杉浦 勝明 濱岡 隆文 村上 洋介 白井 淳資 難波 功一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.583-588, 1997-10-20
参考文献数
11
被引用文献数
1

1997年3月台湾で発生した口蹄疫に関連して, わが国における防疫上の留意点を検討するため, 台湾での口蹄疫の拡散状況を地理情報システムを利用して分析した.有病率, 農家有病率の増加は直線的で, 5月8日にはそれぞれ60%および20%を越え, 台湾本島の全県に侵入し, 発生全期の致死率は約20%であった. 今回の発生は, 北部と南部の2ヵ所でほぼ同時に報告され, その後中部, 東部へと拡大したが, 豚の密度が伝播に重要な役割を果たしており, 密度の高い地域において有病率および新規発症率が高かった. 初期に殺処分率が高かった県ではその後の新規発症率および有病率が低く, 早期の殺処分, 速やかな情報伝達と感染動物の移動制限などが蔓延防止に重要な役割を果たすと考えられる.
著者
片山 雅一 深山 美和子 古屋 聡子 桑本 康 帆保 誠二 安斉 了
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.139-143, 2003-03-20
参考文献数
13
被引用文献数
1 6

米国から輸入されたクオーターホース9頭中の3頭が, 輸入検疫期間中に発熱と下顎リンパの腫脹を呈した.輸入馬は所定の検査結果が陰性であったため解放されたが, 着地検査においてこの3頭から<I>Streptococcus equi subsp. equi</I> (腺疫菌) が分離された.その後, この乗馬クラブ内では腺疫がまん延したが, 週1回の鼻腔粘膜スワブ細菌検査と, その結果に基づく防疫指導を行った結果, 最終的に58頭中25頭 (43.1%) から腺疫菌が分離され, 最初の分離から22週後に乗馬クラブ内での流行は終息した.この間に分離された腺疫菌は, 集落型がムコイド型でSeM遺伝子型は1型であり, 従来の国内分離株とは異なっていた.また, 輸入馬9頭中4頭の血清抗体価に輸入後の低下が認められた.以上の成績から, 今回の集団発生事例は輸入馬の中に潜んでいた保菌馬に起因したことが証明された.
著者
安田 宣紘 阿久沢 正夫 冨宿 誠吾 松元 光春 阪口 法明 伊澤 雅子 岡村 麻生 土肥 昭夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.52, no.9, pp.575-578, 1999-09-20

1996年1月~1997年12月にイリオモテヤマネコの死体3例を回収し, 生存2例を保護した. 死亡3例中2例は成獣で交通事故死, 1例は幼獣で他動物による咬傷死であった. 生存保護2例中1例は成獣で交通事故による重傷が治療により順調に回復した.他の1例は前記交通事故死例の子で, 西表野生生物保護センターで飼育, 順調に発育してラジオテレメトリー用電波発信器を装着, 放獣後3カ月に原因不明の死亡が確認された.
著者
真田 直子 真田 靖幸
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.61-65, 2007-01-20
被引用文献数
2

オウム嘴羽病(PBFD)の診断において、セキセイインコでは、従来のPCR法で検出できない変異型ウイルスの感染が高率に存在することが明らかとなり、これらの変異株を広く検出できる新しいOgawaらのPCR法の有用性を確認した。これを受けて、全国58カ所の動物病院への来院鳥および12カ所のペットショップでの飼育鳥1070羽について、OgawaらのPCR法によるPBFDの疫学調査を実施した。その結果、一般家庭での飼育鳥770羽の陽性率は19.2%であったのに対し、ペットショップでの飼育鳥300羽の陽性率は16.7%であり、全体では18.5%であった。PBFDウイルスは全国的に広く浸潤しており、陽性率は鳥種に依存していた。セキセイインコ(40.1%)、大型白色オウム類(24.2%)およびヨウム(21.2%)では、高い陽性率を示した。また、鳥種によって臨床症状の発現様式が異なることも明らかとなった。
著者
佐藤 至 辻本 恒徳 山下 竹治 齋田 栄里奈 渡辺 元 田谷 一善 世良 耕一郎 津田 修治
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.733-737, 2007-10-20
被引用文献数
2

野生動物の鉛中毒は古くから知られていたが、近年はカドミウムやタリウムなどによる汚染も報告されている。このため本研究では、ツキノワグマ、ホンシュウジカ、ニホンカモシカ、トウホクノウサギおよびカワウの肝臓および腎臓のPIXE分析を行い、これらの重金属による汚染状況を調査した。カドミウム濃度はツキノワグマとトウホクノウサギの腎臓で高く、ツキノワグマで74頭中27頭、トウホクノウサギで16羽中5羽が10mg/kgを超えていた。鉛はツキノワグマとカワウで高く、5頭のツキノワグマが鉛汚染の目安となる肝臓鉛濃度の2mg/kgを超えていたが、カワウではこれを超えるものはなかった。タリウムはすべての試料で検出されなかった。これらの結果は、ツキノワグマとトウホクノウサギは比較的高度のカドミウム暴露を受けており、さらにツキノワグマでは鉛汚染が散発的に発生している可能性を示唆している。
著者
小野 守 小関 茂樹 斉藤 康倫 泉 徳和 松井 基純 大澤 健司 三宅 陽一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.61, no.10, pp.780-783, 2008-10-20

人工授精(AI)後の陰唇刺激がホルスタイン種乳用牛の受胎率に及ぼす効果を評価するために、未経産牛295頭を用い、AI直後に手指による陰唇刺激を15秒間行って対照群と比較した。その結果、陰唇刺激群の受胎率は対照群よりも高かった(69.2% vs 64.7%)が、有意差はなかった。また、対照群において7月から8月に受胎率が低下する傾向が認められたが、陰唇刺激群では認められなかった。両群の受胎成績のTemperature-Humidity Index (THI)別の分析では、対照群において、暑熱ストレス条件下とされるTHIが72以上の場合の受胎率は、72以下の場合よりも有意に低かった(P<0.01)が、陰唇刺激群ではそのような差異は認められなかった。
著者
戸口 昌俊 茅根 士郎
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.247-249, 2005-04-20
参考文献数
8

大井競馬場内厩舎(東京都)および小林分厩舎(千葉県)で飼養されている現役競走馬の寄生虫感染状況を調査するため、1988年6月から9月の期間に149頭の糞便検査を実施した。その結果、寄生虫卵の検出率はきわめて高く、調査した馬の94.0%に蠕虫類の虫卵陽性が認められた。その内訳は円虫類91.9%、葉状条虫31.5%、馬回虫は7.4%であった。しかし、馬蟯虫については73頭について行ったが、その寄生は認められなかった。円虫類のEPG値がきわめて高い値(1001-4000)を示した馬は円虫卵陽性馬の15.3%を占め、年齢別では2歳で28.9%、3歳で13.3%、4歳で9.1%、5歳で5.0%であり、EPG値は若齢馬ほど高い傾向がみられた。
著者
入交 眞巳 中西 コスモ 渡辺 宏 松浦 晶央 山崎 淳 大西 良雄 甫立 孝一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.64, no.9, pp.721-727, 2011-09-20
参考文献数
11

本研究はペットとして飼われている犬の飼育者に対して,犬飼育に関する意識調査をアンケート方式において行った.青森県内に住む犬飼育者を対象に29の設問のアンケート用紙を動物フェスティバルや動物病院で配布し,471名の犬飼育者から回答を得た.回答者の7割は女性で,年齢は30~40代が多く,家族とともに暮らしている人が9割を占めた.犬飼育の理由としては,自分か家族が動物好きだからが5割以上を占めた.不妊去勢手術に対し75%が賛成しているが,実際に処置している飼育者は4割弱であった.飼い犬に所有者明示をしている人は3割できわめて少なかった.獣医師会や環境省の啓発にもかかわらず,不妊去勢手術実施や所有者明示の割合が少なかったことから,獣医師は地域社会に対しこれまで以上に正しい犬飼育の教育と啓発を行っていくべきである.
著者
和田 枝実子 島田 章則 澤田 倍美 森田 剛仁 佐藤 加奈子 辻野 久美子 日笠 喜朗 天谷 友彦
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.112-115, 2006-02-20
参考文献数
8
被引用文献数
1

24歳齢のサラブレッド種の馬に膿性鼻汁の排出が慢性的に見られ, 蓄膿症と診断された. 抗生剤投与による治療が行われたが, 膿汁の排出は続いた. 鼻腔内の触診により右鼻腔内前縁に親指大の腫瘤が触知され, さらに腫瘤は鼻孔より突出するまでに増生伸長し, 鼻汁の排出も継続してみられた.また, 前頭部の膨隆も現れた.病理解剖の結果, 肉眼的に右鼻腔内において背鼻甲介粘膜がその全域 (縦2.5cm, 横7cm, 全長25cm) にかけて高度に肥厚するとともに, 黄色ゼリー状を呈しており, 末端部の肥厚部位は腫瘤状の形態を示し, 外鼻孔より突出していた.組織学的に, 腫瘤は粘液様物質の蓄積を伴う肉芽組織であり, 鼻ポリープと診断された.
著者
内布 幸典 白川 ひとみ 野田 美治 永末 誠二 長野 正弘 大江 龍一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.713-717, 1998-12-20
参考文献数
12
被引用文献数
1

1995年4月, 一貫経営農家 (母豚60頭) の肥育豚 (60~70日齢) で呼吸器症状を示す死亡例が多発し, 発病豚3頭を剖検したところ, 全例に重度の肺炎が観察され, 組織学的には間質性肺炎と脳の囲管性細胞浸潤が顕著であった. 3頭の脳, 扁桃および肺からは, MARC-145培養細胞接種により豚繁殖. 呼吸障害症候群 (PRRS) ウイルスが分離され, CPKおよびHmLu-1培養細胞接種によりレオウイルス2型が分離された
著者
高井 光 芝原 友幸 村上 俊明 林 みち子 門田 耕一
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.105-108, 2005-02-20
参考文献数
21
被引用文献数
5

石川県内の乗馬クラブにおいて, 10歳のサラブレッド去勢馬が沈うつ, 発熱, 転倒を伴う運動失調を呈したため, 2003年6月, 安楽死処置が施された. 剖検時, 右側腎臓には, 2個 (おのおの約5×5×3cm) の硬固感を有する, 灰白色, 融合性肉芽腫性腫瘤が認められた. 病理組織学的に, <I>Halicephalobus gingivalis</I>による多発性肉芽腫性腎炎が認められ, 類似病変が脳, 浅頸リンパ節にもみられたことから, 本症例を国内3例目の<I>Halicephalobus</I>感染症と診断した. 当該乗馬クラブでは, 2000年3月に国内2例目の発生があったことから, 腎臓由来線虫の形態と環境土壌試料由来のものを比較した. 土壌試料には, 多様な形態を持つ多数の線虫が認められた. そのいくつかは腎臓由来線虫と一致した. 土壌中に多数の線虫が存在することより, 環境に存在する自由生活性の<I>Halicephalobus</I>が馬の感染源となる可能性が示唆された.
著者
岩井 哲 佐藤 常男 椎橋 恵津子 白井 弥
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.274-277, 1997-05-20
参考文献数
17

サラブレッド種馬, 雄16歳の頭部に癌真珠を形成しない低分化の扁平上皮癌を認めた. 腫瘍は有棘細胞様細胞の胞巣状増殖からなり, 単一細胞角化, 核の異型性および核分裂像が認められ, 免疫染色で一部の細胞はケラチン陽性であった. 電顕的には, 増加した遊離リボゾーム, 少数のトノフィラメントおよびデスモゾームが認められた.
著者
杉山 伸樹 内田 和幸
出版者
日本獸医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.60, no.8, pp.588-591, 2007-08-20
参考文献数
9

両側性の眼球突出を呈した7カ月齢, 雌のイタリアン・グレーハウンドに対し, 神経学的検査, MR画像検査および血清学的検査を行い, 免疫介在性外眼筋炎と診断した. 従来より, 炎症性筋疾患に対して筋生検の病理組織学的所見が重要な診断根拠となっていたが, 今回新たに, 筋群の腫脹とび漫性造影増強効果などの炎症を示唆するMR画像所見とともに, 血清中にIgG自己抗体の存在を認めた. これらの所見は外眼筋炎診断の一助になるものと考えられた.
著者
古澤 賢彦 金本 勇 若尾 義人 高橋 貢 宇根 有美 野村 靖夫
出版者
Japan Veterinary Medical Association
雑誌
日本獣医師会雑誌 = Journal of the Japan Veterinary Medical Association (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.48, no.7, pp.501-504, 1995-07-20
参考文献数
16

チャウチャウ系雑種雄犬 (1歳4ヵ月齢) が腹水と徐脈を主徴として来院した. 高度の心拡大をともなう特発性心房停止を認め, 利尿剤投与と腹水の穿刺除去を継続したが, 11ヵ月の経過で死亡した. 剖検では高度の右房拡張が, 病理組織学的検査では心房の脂肪線維化が認められ, 基礎疾患として特発性右房拡張症が考えられた.