著者
尾園 絢一
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

インド最古の文法書『パーニニ文典(アシュターディヤーイー)』を残した文法学者パーニニ(紀元前4世紀)が定式化する言語を古インドアーリヤ語(いわゆるサンスクリット)の歴史的展開の中に位置づけることはインド学における長年の課題であった。そこで課題の達成を目指して,本研究はパーニニが教える動詞語幹形成法,特に重複現在語幹形成法を古インドアーリヤ語の古層(ヴェーダ語)の実例と照合し,文法学者パーニニがどの文献にみられる語形・語法を念頭において文法規則を立てたのかを調査,同定した。