著者
片渕 竜也 井頭 政之 古林 徹 尾川 浩一
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

ホウ素中性子補足療法におけるオンライン線量評価システムとしてピンホールカメラを開発する。本研究では、実証試験を行うためのピンホールカメラシステムを構築した。加速器中性子源からの中性子ビームを用いて実験を行った。中性子ビームを水ファントムに照射し、中性子ホウ素の核反応で発生するガンマ線を検出した。中性子ホウ素反応率の空間分布を再構成するための測定を行った。十分な空間分解能で反応率空間分布を得ることができた。
著者
尾川 浩一
出版者
法政大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

本研究では、遺伝的アルゴリズムにおける、生殖、増殖、交叉、突然変異などの、遺伝子が変化し種が淘汰されていく過程の操作を画像再構成にどの様に応用するかを中心に研究を行なった。1.2値画像の画像再構成問題ミュレーションは、最も簡単な2値画像の再構成問題を取り扱い方法論の検討を行なった。実際には、乱数によって作成した16x16の2値画像を100枚用意し、この画像に対して投影計算(投影方向数18)を行い、測定投影データ(予め計算してある理想的な投影データ)との平均自乗誤差が最も少ないものから、子孫を残す優性度を決定し、次にこれらの画像の一部をでたらめに組み合わせた交叉画像(交叉点数32)を優先度を考慮して100枚作成し、子孫とした。画像をstringにコーティングする際は、全ての画素を1行ずつ連結させて実現した。この様な操作を、投影データの平均2乗誤差が少なくなるまで続けた。この際、突然変異を一定の確率(0.00195)で発生させ、局所的な画素値を変化させながら、画像を発生させた。このようにして、255世代で誤差の最小値が0となり、GAによる画像再構成に成功した。また、この演算速度を速めるために初期画像をフィルタード・バックプロジェクションした画像からも行なった。この結果、50世代で誤差の最小値が0になり、効果が現られた。2.多値画像の画像再構成問題多値画像の場合は、遺伝子コードをどの様に表現するかが問題となる。本研究では簡単のため画素データは3ビットとして取り扱い、コーティングはビット列をそのまま連結することで実現した。当初はハミング距離が短いグレイコードで表現することも考えたが、こちらの方法の方が良好な結果が得られるため方法を変更した。個体数は200、投影方向数は16、画像サイズは16×16で行なった。また、多点交叉の確率は0.1392、突然変異の確率を0.00098で行なったところ良好な結果が得られた。また、多値画像を取り扱う場合にはチェッカーボード状のアーチファクトが発生したため、画素間の連続性を考慮し、平滑化処理を行なうことで100世代程度で良好な画像再構成が可能となることがわかった。