著者
尾形 一樹 森 千鶴
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.65-74, 2018 (Released:2020-01-26)
参考文献数
20

本研究の目的は,日本人大学生を対象として既習の文法知識を活用に導くためのディクトグロスの効果を,ディクテーションと比較して明らかにすることである。そのために,ディクテーション群とディクトグロス群を設け,事前テスト(文法と英作文),6回に渡るディクテーションまたはディクトグロス,事後テスト(文法と英作文)を実施した。その結果,ディクトグロス群における事後の文法テストに特に有意な伸びが見られ,ディクトグロス群における事後の英作文でより多くの文法項目を正しく活用できる傾向が示された。また,ディクトグロス群におけるペア・グループ活動における対話を分析した結果,本研究におけるディクトグロス群の再構築でLREs(language-related episodes)の重要性などについて教育的示唆が得られた。