著者
森 千鶴夫 井上 一正 宮原 諄二 千輪 潔
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.437-448, 2005-10-15 (Released:2011-03-01)
参考文献数
14
被引用文献数
1

明星大学・図書館に所蔵されているキュリー夫人の実験ノートの表紙, 裏表紙, 等に付着している放射性物質の分布状態をイメージングプレートで測定した。また, α線の強度とエネルギースペクトルをシリコン検出器で, γ線スペクトルを高純度ゲルマニウム検出器で測定した。表紙, 裏表紙ともに, 手が触れる部分の放射能強度が強く, ノートの小口 (端) の部分にも付着していた。また, 多くの点状の汚染があり, 夫人の周辺には粉末状の汚染があったことが推察される。α線強度の測定によれば, 最も強く付着している部分においては, 我が国のα核種の表面密度限度 (4Bq/cm2) 以下ではあるが, それに近い値であった。α線及びγ線のエネルギースペクトルの測定では, 核種はウラン系列の226Raとその娘核種の壊変に伴うものであった。15年にわたる記入期間の各月ごとの記入ページ数を, 当時の状況を知る手がかりを得る目的で調べたが, このページ数には大きな変動があった。これらについて, 日本人研究者に関する事柄も記されている夫人の伝記を参考にして若干のコメントをした。
著者
菅原(阿部) 裕美 森 千鶴
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.4_11-4_22, 2011-09-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
41

本研究は,統合失調症者の病識のレベルを高める看護介入をするために,統合失調症者の病識に影響を与える関連要因を明らかにすることを目的とした。 統合失調症者を対象者として病識評価尺度(SAI-J),服薬態度,HLC,病気・服薬に対する知識,病気・服薬に対する体験,精神症状,治療内容,主治医からのインフォームド・コンセント,自己効力感について調査した。このほかに半構造化面接を実施し,分析の結果,病気の認識,服薬経験,感情,受け止めなどが抽出された。各尺度の合計点とカテゴリについて共分散構造分析を行い,病識のパスモデルを作成した。「病的体験の客観視」がSAI-J,服薬体験に影響を与えており,服薬に関する感情が生じて服薬態度尺度の合計点に影響を与えていた。 このことから,病的体験を客観視できるようにかかわり,服薬体験の表出を促すことが病識のレベルを高める看護であると考えられた。
著者
藤井 博英 伊藤 治幸 角濱 春美 清水 健史 村松 仁 森 千鶴 石井 秀宗 中村 恵子 田崎 博一
雑誌
青森県立保健大学雑誌 = Journal of Aomori University of Health and Welfare (ISSN:13493272)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.27-34, 2009-06

今日、精神科医療においては、これまでの入院中心の精神医療から地域での生活を支えるための支援が行われている。なかでも精神科訪問看護は、精神障がい者の地域生活をサポートする上で重要な役割を果たしている。そこで、本研究では、質問紙開発のために、精神科訪問看護師が認知する精神科訪問看護のアウトカムを明らかにすることを目的とし、文献概観および北東北3県で訪問看護を実施している施設で訪問看護に従事する看護師49名を対象に半構造化面接を実施し内容分析を行った。面接の内容は、1)患者の観察点、2)実施した看護内容、3)患者の変化や効果、4)症状悪化のサインについてである。精神科訪問看護師が認知する訪問看護のアウトカムを文献概観および内容分析の結果をカテゴリー分類した結果59項目23カテゴリーに分類された。本研究の結果と文献検索から得られたアイテムとはほとんど整合していた。本研究の特徴的な事としては、利用者本人のケアだけではなく、家族ケアにも視点を置かれていた。centered mind medical care. Above all, the psychiatric home visiting an important role when there is it, and mentally-handicapped persons supports the local life of the person. Therefore, in this study, I was aimed at clarifying the outcome of the psychiatry home visiting at home that community mentally psychiatric visiting nurses visit recognized and I carried out a half posture Creator interview for 49 nurses who engaged in documents general view and the temporary nursing at home of the institution which carried out temporary nursing at home in three prefectures of North Tohoku and performed a content analysis. The contents of the interview about 1)the patient of the observation 2)practice content 3) a change and the effect patients, 4) a sign of symptom aggravation. Documents surveyed the outcome of the temporary nursing at home that nurse psychiatry visit recognized and it was classified the results of the content analysis in 23result 59 items categories that were similar for a category. I almost adjusted it with the item provided from document retrieval as a result of this study. When it is decided that this study is characteristic, the knowledge at the action level that I compare it with there being the thing which put a viewpoint for the family care as well as the care of the user person himself, an existing study and depend, and is concrete is a provided point.
著者
小川 賀惠 森 千鶴
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.5_709-5_719, 2022-01-20 (Released:2022-01-20)
参考文献数
55

目的:統合失調症者は未来への不安が強く,生きる意味を感じづらい傾向があり,それらは退院を阻害している。希望をもつことや情緒的なサポートを実感することが人生の意味を高め,回復につながると考えた。本研究では,人生の意味,時間的展望,情緒的サポートの関連を明らかにすることを目的とした。方法:入院中の統合失調症者48名から人生の意味を測定するPILテスト,時間的展望体験尺度,情緒的支援ネットワーク尺度の回答を得た。データの相関関係を算出し,さらに共分散構造分析を用いてパスモデルを作成した。結果:時間的展望は人生の意味に影響していることが認められた。また,妄想上の人物による情緒的サポートが目標をもつ支えとなっていた。結論:妄想を問題視するのではなく,妄想を持ちながらも現実に根ざした現在と未来を描けるよう障害を受容し,障害とつきあっていく実感や自信をもてる援助の必要性が示唆された。
著者
尾形 一樹 森 千鶴
出版者
日本教科教育学会
雑誌
日本教科教育学会誌 (ISSN:02880334)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.65-74, 2018 (Released:2020-01-26)
参考文献数
20

本研究の目的は,日本人大学生を対象として既習の文法知識を活用に導くためのディクトグロスの効果を,ディクテーションと比較して明らかにすることである。そのために,ディクテーション群とディクトグロス群を設け,事前テスト(文法と英作文),6回に渡るディクテーションまたはディクトグロス,事後テスト(文法と英作文)を実施した。その結果,ディクトグロス群における事後の文法テストに特に有意な伸びが見られ,ディクトグロス群における事後の英作文でより多くの文法項目を正しく活用できる傾向が示された。また,ディクトグロス群におけるペア・グループ活動における対話を分析した結果,本研究におけるディクトグロス群の再構築でLREs(language-related episodes)の重要性などについて教育的示唆が得られた。
著者
菅原 阿部 裕美 森 千鶴
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:02859262)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.11-22, 2011-09-20
参考文献数
41

本研究は,統合失調症者の病識のレベルを高める看護介入をするために,統合失調症者の病識に影響を与える関連要因を明らかにすることを目的とした。<br> 統合失調症者を対象者として病識評価尺度(SAI-J),服薬態度,HLC,病気・服薬に対する知識,病気・服薬に対する体験,精神症状,治療内容,主治医からのインフォームド・コンセント,自己効力感について調査した。このほかに半構造化面接を実施し,分析の結果,病気の認識,服薬経験,感情,受け止めなどが抽出された。各尺度の合計点とカテゴリについて共分散構造分析を行い,病識のパスモデルを作成した。「病的体験の客観視」がSAI-J,服薬体験に影響を与えており,服薬に関する感情が生じて服薬態度尺度の合計点に影響を与えていた。<br> このことから,病的体験を客観視できるようにかかわり,服薬体験の表出を促すことが病識のレベルを高める看護であると考えられた。
著者
大森 圭美 森 千鶴
出版者
公益社団法人 日本看護科学学会
雑誌
日本看護科学会誌 (ISSN:02875330)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.3_25-34, 2012-09-20 (Released:2012-10-16)
参考文献数
29

目的:統合失調症者の病気の認識に影響する要因間の関連を明らかにすることを目的とした.方法:入院中の統合失調症者に対面形式での質問紙調査を行った.各要因の関連はスピアマンの相関係数を用い,「自己の疾病についての意識」を従属変数として重回帰分析(変数減少法)を行った.結果:対象者104名のうち63名から有効回答を得た.病気の自覚尺度と「自己の疾病についての意識」において「自己内省性」と関連が認められた.また,精神疾患の自覚の程度により病気の認識,自尊感情,精神障害者観の関連が異なることが認められた.「自己の疾病についての意識」を従属変数とした重回帰分析では「陰性尺度」「自己内省性因子」「自己確信性因子」「自尊感情尺度」,精神障害者観因子「能力」で構成されるモデルを得た.結論:統合失調症者の病識の認識向上の支援には現実的認知の促進,精神障害者観と自己価値の改善の必要性が示唆された.
著者
森 千鶴夫 神谷 均 佐合 穣 宮川 俊晴 田中 隆一 掛布 智久 森山 正樹 緒方 良至 秋吉 優史 臼井 俊哉 村上 浩介 羽澄 大介 中村 嘉行 渡辺 賢一 瓜谷 章
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.1-12, 2020

<p>高等学校などで使用されているクルックス管は,一般的に漏洩X線を発生している。X線の線量率の測定に,これらの学校が保有している箔検電器を使う方法を提案した。箔検電器の箔の開き角は電極に与えられた電位に依存して変化する。この電位はX線によって空気中に作られたイオンを集めて減少し箔は閉じて行く。しかし,空気中のイオン密度は周辺の電位や風,および箔検電器に荷電する電荷の正負の影響も受ける。正電荷を荷電した場合に箔が閉じる時間と負電荷を荷電した場合のそれとの幾何平均値をとることによって,電離箱で測定した線量率との間に再現性のある関係を得ることができた。この関係を校正線と呼ぶが,他の同様の市販の箔検電器にも適用できる。</p>
著者
村松 仁 森 千鶴 永澤 悦伸
出版者
山梨医科大学
雑誌
山梨医科大学紀要 (ISSN:09105069)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.42-47, 2000
被引用文献数
5

近年,香りの人体へ及ぼす影響について検討した研究により,様々な効果があることが明らかとなってきている。その中に不安の軽減やストレス軽減などの精神面への効果がある。この精神面に対する効果を精神看護に応用することは,精神看護の幅を広げることにつながり,非常に意義深いことと考える。今回はその基礎的なデータを収集する目的で,精神的ストレスがある状態でグレープフルーツの香りを提示した場合,どのような影響が起こるのかを実験により検証した。その結果,グレープフルーツの香りには,心理指標において状態不安を軽減し,覚醒水準を上昇させる傾向があり,リラクゼーションに応用できる可能性があることが示唆された。
著者
関根 正 森 千鶴
出版者
一般社団法人 日本児童青年精神医学会
雑誌
児童青年精神医学とその近接領域 (ISSN:02890968)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.70-85, 2018-02-01 (Released:2019-08-21)
参考文献数
41

青年期以降の自閉スペクトラム症を持つ人が治療を受けるきっかけは二次障害であり,根底には自分に対する意識が希薄という特徴がある。治療として,二次障害に対する薬物療法だけでは長期的な社会適応やQOLの改善は見込めず,心理社会的介入は必須である。しかし,看護師による確立された心理社会的介入は認められず,自閉スペクトラム症を持つ人の特徴を踏まえて実践できる介入プログラムが必要と考えた。そこで,リフレクション支援,自己説明支援,外化支援を介入技法とし,認知的介入と行動的介入から構造化した全10回の個人面接とする看護介入プログラムを作成し,有用性の検討を目的とした。評価は,認知行動的セルフモニタリング尺度,私的自意識尺度,SRS-Ⅱ(self-report),SRS-Ⅱ(others-report)を使用し,実施前後の比較をWilcoxon符号付順位検定,尺度の関連の検討を重回帰分析で行った。また,自分に対する意識の変化を質的帰納的に分析した。自閉スペクトラム症を持つ人16名に実施した結果,認知行動的セルフモニタリング尺度,私的自意識尺度は実施後の方が高く,SRS-Ⅱ(others-report)で実施後の方が低かった。また,行動モニタリングが私的自意識尺度に影響を与えていた。自分に対する認識の変化から,【自分の内面を意識できるようになった】,【対人関係を意識できるようになった】のカテゴリが生成された。これらの結果から,自分に対する意識が高まったと考えられ,看護介入プログラムは自閉スペクトラム症を持つ人に有用と考えられた。
著者
森 千鶴
巻号頁・発行日
1998

筑波大学博士 (心身障害学) 学位論文・平成10年7月24日授与 (乙第1431号)
著者
森 千鶴
巻号頁・発行日
2012

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(C)2009-2011