著者
土井 裕介 尾形 信行
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.129, 2018-05-28

<p> 近年、局地的な豪雨に伴う土砂災害とともに、山地渓流域から流木等が流出する流木災害が問題となっている。渓流内には、様々な腐朽段階の倒木が存在しており、直径や長さ等の形態的な特徴とともに腐朽段階が倒木の挙動に影響することが指摘されている。そのため、山地渓流域における腐朽段階ごとの倒木の蓄積量や、それと集中豪雨前後における挙動との関係を把握しておくことが、今後の対策立案のために重要であると考えられる。そこで、本研究では、倒木の腐朽段階等の形態的特徴と集中豪雨前後の倒木の移動等の状況を調査した。大阪府の北部、中部、南河内、泉州の各地域の4渓流を調査地とし、2017年2月に各渓流における直径10cm以上の倒木の長さ、直径、位置、樹種、腐朽段階、渓流への移入状況、流向となす角を記録し、2017年10月の台風第21号、第22号通過後に再度調査を行った。 その結果、倒木の長さが短いほど集中豪雨後に大きく移動する傾向が見られた。発表では、倒木のその他の形態的特徴と倒木の移動に関する解析結果を示し、山地渓流域における倒木の挙動について議論したい。</p>