著者
川添 敏弘 宮田 淳嗣 尾松 美佐子 福山 貴昭 山川 伊津子 今村 伸一郎
出版者
日本動物看護学会
雑誌
Veterinary Nursing (ISSN:21888108)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.37-41, 2020 (Released:2021-08-04)
参考文献数
13

動物の体温測定は、健康状態を確認するうえで極めて重要なことであるが、直腸温計測は簡単な技術ではない。イヌでは腋下温が直腸温測定の代替法になることが報告されているが、ネコでの報告は認めない。そこで、直腸温と腋下温を同時に測定し、興奮の有無を確認して記録とした。その結果、回帰直線はy=0.909x+3.436(r2=0.829、p<0.01)で表され、ネコの直腸温の正常値(37.5~38.5°C)の範囲では、腋下温に-0.03~0.07°Cを加えると直腸温に相当した。これにより、イヌと同様にネコでも腋下温計測が、臨床上、直腸温測定の代替法になり得ることが示唆された。