著者
山ノ上 奏 川間 健之介 中津 真美
出版者
日本リハビリテーション連携科学学会
雑誌
リハビリテーション連携科学 (ISSN:18807348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.156-166, 2019-12-25 (Released:2021-02-28)
参考文献数
23

【目的】脳性まひ者の就労状況と二次障害の変容を明らかにすることを目的とする. 【方法】現在, 一般就労している, または過去に就労していた20歳代から50歳代の脳性まひ者11名を対象とした. インタビュー調査で得られたデータは, 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ (M-GTA) 手法により分析を実施した. 【結果】脳性まひ者の叙述から就労に関わる二次障害の概念が生成された. 脳性まひ者は二次障害と機能低下への対応の必要性に気づき, 就労と自身の身体の変化を再考する経緯が認められた. これは脳性まひ者にとって仕事に影響を与える重要な側面であり, 二次障害の変容に合わせて就労意欲を維持することが重要という概念図が得られた. 【結論】脳性まひ者は, 仕事に意欲ややりがいをもって働いているが, 二次障害による身体の変化に合わせて, 就労状況を変えることが就労意欲の維持につながる.