著者
山上 賢一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.183-187, 2005-06-20 (Released:2018-08-25)
被引用文献数
1

医療事故事例 2002年4月の厚生労働省の発表によれば, 大学病院のような高度な医療技術を持つ全国82の特定機能病院が報告した医療事故件数が, 2000年4月から2002年2月までの約2年間に15,003件にも上っている。国や病院団体などがリスクマネジメントに関する指針やマニュアルを発表しリスクマネジメント強化を進めているが, 医療事故は後を絶たない状況にある。例えば, イースタン, エージェンシー木下安史代表の資料によれば下記のとおりである。【患者の取り違え】「肺を手術する予定の患者と心臓を手術する予定の患者を取り違えて手術」(1999年)【誤投与】「点滴中の患者に誤って消毒液を投与, 患者は直後に死亡」(1999年) 「チューブで流動食を摂取していた患者に流動食を点滴し, 患者死亡」(2000年) 「急性心筋梗塞の患者に誤って毒物のアジ化ナトリウムを投与し, 患者死亡」(2002年) 【過剰投与】「風邪で来院した乳児に調剤ミスで処方の10倍を投与」(1999年) 「医師の処方箋を看護師が転記ミスし指示の10倍のモルヒネを投与したため, 患者が死亡」(2000年)