- 著者
-
斯迪克 艾尓肯
山下 信彦
- 出版者
- 日本物理教育学会
- 雑誌
- 物理教育 (ISSN:03856992)
- 巻号頁・発行日
- vol.51, no.1, pp.1-5, 2003
食塩水にPbとMnを添加した後,蒸発・乾固させるという簡便な方法によって,蛍光性の食塩を合成することに成功した。著者達のこれまでの研究によると,紫外線の下で蛍光を発するカリフォルニア産岩塩は,不純物としてPbとMnを含んでおり,Pbによって吸収された紫外線エネルギーがMnに伝達され,その後,Mn内の電子遷移により鐙赤色の蛍光を発することが分かっている。蛍光性食塩の合成は,この天然岩塩にヒントを得たものである。この蒸発・乾固法は,電気炉やマッフルなどを使って合成する溶融法に比べて経済的にも時間的にも極めて簡便な方法である。学校教育における授業実践を想定し,明るい蛍光を発する食塩微結晶の合成方法を提示する。