著者
杉本 温美 山下 安代 鈴木 睦代 森下 正博 不破 英次
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
応用糖質科学 (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.33-39, 1998-03-31 (Released:2011-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

カボチャ(小菊)を室温あるいは5℃ に2カ月間貯蔵し,その間のカボチャの炭水化物含量の変化ならびに澱粉の特性の変化について検討し,次のような結果を得た. 1) カボチャ中の澱粉含量は,室温ならびに5℃ の貯蔵によって減少したが,逆に可溶性糖は増加した.そのときの澱粉の減り方ならびに可溶性糖の増え方は,5℃ よりも室温の方が大きかった. 2) 電流滴定ならびに酵素-クロマト法によるアミロース含量は,室温,5℃ ともに,貯蔵によって増加することが明らかになった. 3) 貯蔵中のカボチャの澱粉粒は,すでに酵素によりダメージを受けており,酵素による分解性が,貯蔵前のものより大きいことがわかった.