著者
杉本 温美 山下 安代 鈴木 睦代 森下 正博 不破 英次
出版者
The Japanese Society of Applied Glycoscience
雑誌
応用糖質科学 (ISSN:13403494)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.33-39, 1998-03-31 (Released:2011-07-01)
参考文献数
11
被引用文献数
1

カボチャ(小菊)を室温あるいは5℃ に2カ月間貯蔵し,その間のカボチャの炭水化物含量の変化ならびに澱粉の特性の変化について検討し,次のような結果を得た. 1) カボチャ中の澱粉含量は,室温ならびに5℃ の貯蔵によって減少したが,逆に可溶性糖は増加した.そのときの澱粉の減り方ならびに可溶性糖の増え方は,5℃ よりも室温の方が大きかった. 2) 電流滴定ならびに酵素-クロマト法によるアミロース含量は,室温,5℃ ともに,貯蔵によって増加することが明らかになった. 3) 貯蔵中のカボチャの澱粉粒は,すでに酵素によりダメージを受けており,酵素による分解性が,貯蔵前のものより大きいことがわかった.
著者
内藤 重之 森下 正博
出版者
大阪府立食とみどりの総合技術センター
雑誌
大阪府立食とみどりの総合技術センター研究報告 (ISSN:13484397)
巻号頁・発行日
no.43, pp.5-12, 2007-03
被引用文献数
4

1. 大阪府では1980年代から伝統野菜の遺伝資源の収集と特性調査を実施してきたが,1990年代後半以降,「天王寺蕪」「田辺大根」「毛馬胡瓜」「勝間南瓜」などが復活し,地域住民の有志やNPO法人,行政によって普及・啓発が行われている。2. 大阪市内においては「なにわの伝統野菜」が原産地域を中心に学校や一般家庭で栽培され,寺社の行事や商店街のイベントにも組み込まれるようになるなど,地域の活性化に大いに役立っている。3. 「なにわの伝統野菜」は原産地域の小学校で生活科や総合的な学習の時間などに栽培され,食育や環境教育の生きた教材として役立っている。4. 「なにわの伝統野菜」を使用した加工食品の商品化やメニュー化が地域の食品製造業者や飲食業者等によって進められており,百貨店や専門小売店等でも「なにわの伝統野菜」の青果や加工品が販売されるようになっている。これらの動きとも連動して,「なにわの伝統野菜」の生産は徐々に増加している。5. 今後,「なにわの伝統野菜」によって産業振興を図るためには,推進方針を明確化し,関係者がビジョンを共有することや,「なにわの伝統野菜」の特性を十分に考慮した上で,需要と供給をバランスよく拡大していくことが重要である。