2 0 0 0 OA 膵炎

著者
真弓 俊彦 新里 到 眞田 彩華 鍋島 貴行 宮里 和明 石川 成人 大石 基 遠藤 武尊 中園 和利 弓指 恵一 山中 芳亮 大坪 広樹 古屋 智規
出版者
日本外科代謝栄養学会
雑誌
外科と代謝・栄養 (ISSN:03895564)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.349-356, 2016 (Released:2017-04-12)
参考文献数
24

重症急性膵炎では,多数のRCT やそれらのメタ解析で,発症72 時間以内の早期の経腸栄養が死亡率や合併症を有意に減少させることが示されている. しかし,実臨床では経腸栄養が早期に開始されていることは少なく,特に診断後48 時間以内に開始される例は非常に少ない.膵酵素の高値,腹痛,蠕動音消失,多量の胃液排出は,経口摂取の中止基準にはなっても,経腸栄養の中止基準にはならず,これらが認められていても経腸栄養を開始できる.重症急性膵炎でも早期から経腸栄養を開始することが肝要である. 従来,経空腸的な経腸栄養が施行されてきたが,メタ解析により,経空腸栄養ではなく,経胃栄養も可能かもしれないことが示唆されている.また,免疫調整栄養,プロバイオティクス,シンバイオティクスの有用性はまだ定かではない.
著者
清水 太一 田島 貴文 善家 雄吉 大隈 佳世子 岡田 祥明 山中 芳亮 酒井 昭典
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.152-155, 2021-03-25 (Released:2021-04-30)
参考文献数
18

我々は,過去に当大学同門会員に対して,抜釘に関する意識調査を行い,その結果を報告した.今回,さらに解析を追加し,部位別の抜釘の傾向を検討した.質問内容は抜釘を行う部位や理由など計65項目とした.229名のうち81名(男性79名,女性2名,平均年齢41.7歳)より回答を得た(回答率35.4%).「必ず行う(100%)」および「だいたい行う(80%)」の頻度で抜釘を行う部位は,小児における髄内ピン(97.5%),肘頭TBW(tension band wiring)(72.8%),鎖骨プレート(71.6%),膝蓋骨TBW(66.7%)であった.逆に「決して行わない(0%)」および「めったに行わない(20%)」部位は,上腕骨髄内釘(77.8%),上腕骨骨幹部プレート(74.1%),大腿骨髄内釘(67.9%)などであった.また,術者の年齢が高くなるほど橈骨遠位端プレートを抜釘する傾向が有意に高く,前腕骨骨幹部プレートを抜釘する傾向は有意に低かった.
著者
藤谷 晃亮 善家 雄吉 山中 芳亮 目貫 邦隆 酒井 昭典
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.409-412, 2014-09-25 (Released:2014-11-11)
参考文献数
5

広範囲長管骨骨欠損に対して,Masquelet法(M法)を用いて良好な治療成績が得られた2症例を経験したので報告する.【症例1】34歳男性.高所から飛び降りて右下腿骨開放骨折(Gustilo II)を受傷.広範囲な骨欠損を認めたがM法とプレート固定を施行.9ヵ月後骨癒合は良好で独歩可能である.【症例2】66歳女性.左大腿骨骨幹部骨折後,不適切な固定により偽関節となり当院に紹介された.M法と髄内釘固定を施行.3ヵ月後骨癒合が認められ,屋内独歩可能である.【考察】M法では1st stageから6~8週後に2nd stageを行うべきとの報告が多い.しかし,induced membraneは1st stage後4週で活性と骨形成マーカーが最大になり,8週後には著しく低下するため2nd stageは4週後に行うべきであるとの新しい報告も見られる.症例2は4週後に2nd stageを行ったが経過良好であり,2nd stageまでの期間は4週間に短縮できる可能性がある.