著者
山中 麻帆 浅野 桂吾 林 英明 河井 重幸 平山 琢二
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.91, no.4, pp.375-379, 2020-11-25 (Released:2020-12-12)
参考文献数
23
被引用文献数
1 2

本研究では,ウシに市販海藻飼料を給与した場合の糞中IgA, VFA濃度および糞便性状について調査し,腸管免疫賦活活性に与える影響について検討した.試験には黒毛和種の経産牛4頭を用い,海藻飼料を給与する区(海藻区)および給与しない区(対照区)に2頭ずつ分け,給与I期(10日間),休止期(13日間),給与II期(10日間)の3期からなる2×2のクロスオーバー法で実施した.糞中IgA濃度の変化量は,海藻区が対照区に比べ有意に増加した(P<0.05).一方,糞pH値および糞中VFA濃度は両区ともに正常範囲内で推移し,海藻飼料の給与の有無で差は認められなかった.また,糞中VFA濃度と糞中IgA濃度との間にも相関は認められなかった.以上から,ウシへの市販海藻飼料の添加給与は,腸内微生物叢には影響しないものの,腸管免疫を活性化させることが示唆された.
著者
山中 麻帆
出版者
石川県立大学
巻号頁・発行日
2021-03-21

令和2年度
著者
八田 陽祐 山中 麻帆 大木 崇裕 南都 慶介 林 英明 平山 琢二
出版者
動物の行動と管理学会
雑誌
動物の行動と管理学会誌 (ISSN:24350397)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.85-93, 2020-09-25 (Released:2020-11-07)
参考文献数
25

展示動物の行動は、来訪者の数や構成などの影響を受けやすいことが報告されている。草食動物であるキリンは警戒心が強いとされる一方で、展示動物の中でも人気が高く来訪者が多く訪れる可能性があり、その点で来訪者の影響をより強く受けると考えられる。本研究では、展示キリンの行動発現と来訪者数の関連性について検討した。平日(月〜金)および休日(土日・祝日)の各3日間、展示キリン3頭(雄1頭、雌2頭:平均3.2歳齢)の行動をカメラで記録後解析し、キリン展示エリアへの来訪者数を目視で計測した。休日における来訪者数と展示キリンの採食行動の発現頻度に負の相関がみられた(P <0.01)。平日、休日のいずれにおいても来訪者数と展示キリンの探査行動の発現頻度に負の相関がみられた(P <0.01、P <0.05)。これらのことから、展示キリンの採食および探査行動は来訪者数と密接に関連することが示唆された。