著者
横田 ちゑ 長田 謙一 三宅 晶子 忽那 敬三 田中 健夫 山内 正平 内村 博信
出版者
千葉大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1990

本研究においては特に次のテ-マが取り扱われたーー1.浦安における住宅の変化と近代化 2.ベルリンの斉藤佳三・1923 3.北海道と関西の和洋折衷建築 4.日本のダダイスト達 5.イデオロギ-としての技術 6.ベルリンの日本未来派 7.柳瀬正夢ーー未来派からプロレタリア美術へ 8.ブル-ノ・タウトにおけるユ-トピア幻想と革命 9.大船田園都市株式会社の新鎌倉住宅地 10.ト-マス・マンの政治論 1918ーー1923 11.映画『新しき士』におけるファシズム思想 12.1920年代日本におけるジャズ・イメ-ジ 13.近代社会における自己認識と映画ーージガ・ヴェルトフをめぐって 14.近代文化の問題としての二分化これら具体的テ-マの研究とともに、近代化の概念そのものについての議論がなされたーー日本においては、19世紀半ばの西欧受容以前に、既に様々な領域で独自の発展がなされていた(都市文化の成立・合理化・産業化)。これらの、そしてまたその後の状況を考えるなら、まさにそこで進行しつつあったプロセスが、極めて合目的的・功利的に西欧の技術とモノを受容したと言える。本来西欧における近代化は、歴史的にVerburgerlichungーーそれは市民・個人に基礎を置くーーの過程をも内包していた。しかし文化構造の転換とともに、近代化のプロセスはその重心を個人から大衆へと移してきた。ここにおいて、市民や個人の思想なしに都市化・合理化・産業化を加速度的に進展させていくプロセスを、より正確に規定する必要が出て来る。特に、このプロセスは日本においても西欧においても、あるいはむしろ日本においてよりドラスティックに進行しつつあるだけになおさらである。そしてこのプロセスを、モノから機能や情報が抽出されていく過程として促えるなら、それは、すべてが商品になっていき、情報と資本のネットワ-クに組み入れられていくポストモダンへと通じていると言えよう。