- 著者
-
長谷川 至
尾田 敦
三浦 雅史
川口 徹
山内 茂寛
村上 三四郎
中村 正直
- 出版者
- JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
- 雑誌
- 日本理学療法学術大会
- 巻号頁・発行日
- vol.2003, pp.C0062-C0062, 2004
【はじめに】青森士会では,「第5回アジア冬季競技大会青森2003(以下,アジア冬季大会)」での理学療法サービス提供について,(財)青森アジア冬季競技大会組織委員会(以下,AWAGOC)から正式な依頼を受け,ボランティアとして活動を行った。今回,アジア冬季大会における活動を報告するとともに,活動上の問題点を踏まえて,今後の課題について検討したので報告する。<BR>【事前準備】1999年に青森士会では「冬季アジア大会準備委員会」を設置し,研修会などの開催や,AWAGOCや関連自治体との事前協議を行った。また,プレ大会へ参加することによって実地研修も行った。<BR>【大会概要】期間:2003年2月1~8日。会場:県内6市町9会場。競技種目:6競技54種目。参加国/地域:29カ国/地域。エントリー数:選手,役員計1102名。<BR>【活動概要】期間:2003年1月30日~2月7日。時間:9時~21時,一部の会場では夜間または予約のみ。場所:全会場の各選手宿舎(全9カ所)内に設置されたマッサージ室。人員:青森士会員106名(全会員279名中)。<BR>【活動結果】全会場合計の利用者延べ数は162名であった。日別利用者は,活動開始日から徐々に増加し,競技開始後2日目(49名)に最も多く,その後徐々に減少した。国別利用者延べ数は,計11カ国の方が利用し,カザフスタン(40名),韓国(38名),台湾(20名)が多かった。競技種目別利用延べ数は,カーリング(26名),バイアスロン(26名),フィギュアスケート(24名),フリースタイルスキー(21名)が多かった。主にトレーナーが帯同していない国または競技・選手の利用であった。利用目的は疲労回復(76%)が多く,腰背部(31%)や下肢(30%)に対するマッサージ(57%),物理療法(22%),ストレッチング(14%)が多かった。外傷に対する処置や,練習・競技直前の対応なども数例あったが,活動時間の都合上,対応できないケースもあった。<BR>【問題点と今後の課題】当初の計画ではいくつかの会場に限定して活動を行う予定であったが,大会数カ月前に,急きょ計画を変更して全会場での活動を行うこととなった。そのため,人員や物品の確保に支障をきたしたことや,各会場の状況を把握しきれなかったことなどの問題があった。その他,コミュニケーション能力などの問題もあったものの,選手や大会関係者からは概ね好評を得て活動を終えることができた。<BR> 資質向上,職域拡大,社会貢献などの点から,このような活動に参加することの意義は高いと考える。今後は,個々の資質向上だけでなく,青森県内においても関連機関や団体との連携を深めるとともに,組織的なサポート体制を構築することが重要である。