著者
山口 富士夫 吉田 典正
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2000

現在の、CADを支えている形状処理の技術には,(1)不正確さ,(2)不安定さ,(3)複雑さ,の点で避けることの出来ない限界が存在し、これらの問題はシステムの信頼性に影響を及ぼす。著者は,"諸悪の根元は除算にある"とし,除算を用いない処理方式として「完全4次元同次処理」を提案している。ここに"完全4次元"とは、"一貫して4次元による"の意である。本研究は、現行の「ユークリッド処理」と本方式との理論および実験による比較である。(1')厳密な正確さ:除算を伴う「ユークリッド処理」では、厳密な正確さは実現困難である。一方、本方式では、有理数を扱う限り、厳密に正確な演算が可能である。これは様々な実験結果により確認されている。(2')頑健性:本方式では、除算を実行しないので、除算に伴うオーバーフローなどの不安定さは存在しない。また幾何的ニュートン法において、有理式曲線・曲面を対象とするときに現れる不安定さも、本方式では原理的に存在せず、更に解の局所一意性の点でも格段に優れている。(3')簡潔性:「ユークリッド処理」は射影による切断後の図形を対象とし、また「4次元同次処理」は射影前の図形を対象とする。前者は、切断の仕方により様々な形となるので組み合わせの場合が増え、複雑さが増大する。上に見たように、上記の3点に関しては圧倒的に「完全4次元同次処理」が優れていると結論できる。更に、処理の"一般性"と"統一性"および"双対性"に関しても、本方式の優越性が分かっている。
著者
新関 雅俊 福永 嘉之 山口 富士夫
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.1280-1285, 1990-07-05
被引用文献数
2

Point-in-Polygon Tests are basic geometric algorithms in solid modeling. The 4×4 Determinant Method provides a structured framework for all interference problems in the modeling process. The authors have proposed two different algorithms for Point-in-Polygon Tests based on the 4×4 Determinant Method, the PNZ Triangle Method and the Vertex Convexity Method. This paper compares the (1) algorithm simplicity, (2) arithmetic operations per vertex, (3) pre-calculable date, (4) accuracy in floating point arithmetic, (5) applicability in special cases, and (6) applicability in faces with curved edges, of the two algorithms. This shows which algorithm is preferable in each situation, and which algorithm is suitable for implementation in a hardware geometric processor.