著者
山口 尹通 小松 美博 岸本 昭
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.501-506, 1977-10-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
8

“レトルトパウチ食品”の製造時および貯蔵性におよぼす残存空気の影響について検討した。その結果:(1) 残存空気量が多くなるにつれて,グリシンーグルコース-AsAモデル系の褐変は進み,リノール酸メチルやアスコルビン酸のような被酸化成分の劣化程度が高くなる。(2) 破袋を防止するためには,残存空気量は10~15ml以下にすべきである。(3) 熱伝達様式がほぼ伝導型で,しかも流動体であるような食品については,残存空気量について特に注意を払うベきで,その量は10ml以下にする必要がある。(4) “レトルトパウチ食品”の許容出来る残存空気量は10ml以下であり,これより多く残存するものについては,何らかの除去手段を構ずる必要がある。