著者
山口 扶弥 藤野 成美 梯 正之
出版者
広島都市学園大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011-04-28

出産後5日~6ヶ月に母親のうつ状態を縦断的に調査し,産後支援のあり方を検討する.研究協力が得られた産婦人科に通院中の妊婦に無記名自記式質問紙調査を実施.調査項目は母親の抑うつ傾向,生活上の困難,必要な支援等とした.分析方法は日本語版EPDSを用い,従属変数をうつ傾向有無,独立変数は各質問項目とするロジスティック回帰分析を行った.配布数170名,有効回答は101名(回収率59.4%).うつ傾向の者は,産後2週間で20.8%,5日で19.8%と多かった.産後5日は母親自身の気持ちや体調が影響しているが,産後14日は生活環境,子どもを世話する上での悩み等に変化し,初産婦はうつ傾向になりやすかった.
著者
山口 扶弥 飯村 富子 森本 千代子
出版者
日本赤十字広島看護大学
雑誌
日本赤十字広島看護大学紀要 (ISSN:13465945)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-9, 2007

本研究の目的は乳幼児をもつ母親の「子供の感染症予防意識・行動」を明らかにし、感染予防に関する看護活動を検討するための基礎資料とすることである。研究対象はH市の4ヶ月・1歳6ヶ月・3歳6ヶ月健診に受診した母親に対し、感染症のイメージや知識、予防接種状況、衛生面に関する意識・行動について、2005年11月から12月にアンケート調査を実施した。その結果有効回答数(率)は、4ヶ月87名(95%)、1歳6ヶ月83名(88%)、3歳6ヶ月93名(93%)であった。母親の意識・行動の実態として、1.各感染症を「怖い」とする母親が多かった。2.予防接種の接種率と必要性の意識が高かった。3.母親の感染予防意識は高く、「帰宅時・食前・食後の手洗い」は、「母親の意識・行動・子供ヘの関わり」間に関連がみられた。4.「帰宅時のうがい」は、感染の危険を感じた時にとられる行動であると示唆された。今回の結果を母親の意識、行動変容を促す保健指導に活かしたい。