著者
桐村 ます美 山名 美奈子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.26, 2014

<sup>【目的】わが国の女性の「平均寿命」は昭和60年から今日まで世界一の水準を保ち、男性は幾分下回るものの、男女の平均寿命は現在でも世界一を誇っている。また「健康寿命」も世界一ではあるが、この二者間で男性9.13年、女性12.68年と大きな差が生じている。健康寿命の延伸が求められる中、ロコモティブシンドロームを認知している国民の割合は平成24年において17.3%と低く、国は平成34年度にはこれを80%とすることを目標としている。地域住民に対して認知させることが喫緊の課題とされている「ロコモ予防」を、様々な観点から身近な課題として理解できるように示す事を目的に健康教室を開催した。<br>【方法】「知識・運動・食事」の3部構成で実施した。1部では、まず「ロコモを知ること」とし、ロコモについての概要を説明し、食事との関係についての「講演会」を行った。第2部「運動」では、実際に身体を動かすロコモ予防の体操を行った。3部では、学生の手作りのロコモ予防のお弁当を作成し、実際の食生活に活用できるように「食事会」を催した。<br>【結果】参加者は30歳代から80歳代の幅広い年齢層の地域住民であった。教室終了後の参加者のアンケート結果から、「ロコモを理解した人」93.1%、「今後食事改善を心がけようと思った人」96.6%、「今後運動を取り入れようと思った人」93.1%を占めた。「学び・運動・食事」と組み合わせることで、日頃の生活習慣や食習慣を改善するための動機づけが成功し今後の行動変容が期待できる事で、本健康教室の開催は成果があったことを確認できた。</sup>