著者
福島 智恵 山岡 建夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.89, no.6, pp.999-1006, 2006-06-01
被引用文献数
10

地上を捜索するレーダにおいて,背景クラッタに埋もれた目標や小型目標をより高精度に探知するためには目標と背景クラッタの分離が必要であり,距離分解能や方位分解能を向上することが求められている.一般に距離分解能を向上する手段としては,送信パルスの狭パルス化や広帯域FMパルス化などが挙げられるが,これらの手段では広帯域の受信機が必要となり,ハードウェア構成が複雑でコスト増大を招く.これに対して,周波数ステップさせた複数の狭帯域パルスを周波数領域で合成して逆フーリエ変換(IFFT)を施すことで,時間領域での狭パルス化,すなわち距離分解能の向上を図る手法が提案されている.本論文では,この手法をもとに周波数ステップさせたパルスを高速に発生する高速広帯域エキサイタを用いて合成帯域レーダ(Synthetic Bandwidth Radar:SBR)を構成し,実環境下における実験的評価を行うことで,その有効性を確認した.