著者
山崎 秀策 宮下 純夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.55, pp.302, 2008

従来,伊豆マリアナ孤を代表とする島弧地殻の構成岩類は,サンプル採集の困難性から地球物理的な手法を中心として推定されてきた.白亜紀にアラビア半島上へ衝上したオマーンオフィオライトは,中央海嶺起源のMORB海洋地殻と,そこに貫入する島弧火成岩類の存在が知られており,この後期火成活動の起源がオフィオライト衝上時のオブダクションに由来するというモデルが提唱されている(Ishikawa et al., 2005など).これはすなわち,海洋地殻内に生じた沈み込み火成活動による初期島弧の発生を意味する.本発表では,オマーン北部地域において,ボニナイトを伴う超塩基性岩類の解析に基づき,この初期島弧発生プロセスを議論する.