著者
山形 辰史 Yamagata Tatsufumi
出版者
日本評論社
雑誌
経済セミナー
巻号頁・発行日
vol.593, pp.42-43, 2004-06

近年、感染症が注目を集めている。一昨年の冬は東アジアでSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した。SARSは新型肺炎とも呼ばれ、中国および香港を中心に感染が広がった。日本にはSARSに感染した台湾人男性が数日間滞在したことから、この男性の訪問先が善後策に追われたことが記憶に新しい。この冬も再流行が懸念されたのであるが、対策が進んだためか、感染は中国で4人が確認されるに止まっているようである。(以下略)
著者
山形 辰史
出版者
財務省財務総合政策研究所
雑誌
フィナンシャル・レビュー (ISSN:09125892)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.1, pp.171-191, 2005-02

HIV/AIDS、SARS、鳥インフルエンザといった新興感染症、薬剤耐性を持った病原体の出現によって問題が深刻化している結核、マラリア等再興感染症への関心が世界で高まっている。感染症の予防や治療はそれを個人に施すことのプラスの効果が国境を超えてスピル・オーバーすることが多く、国際公共財としての性質を持っている。また、新薬・ワクチンの成分・製法に関する情報および、感染症の流行に関する情報は典型的な公共財であり、誰しもがフリー・ライドするインセンティブを持っている。したがって、これら公共財の過少供給の問題を解決するためには国際的な協調行動が必要である。 世界の感染症対策は、感染がより大規模に広まっている発展途上国を中心としたものにならざるを得ない。現在これをリードしているのはアメリカであり、日本はWHOへの出資については存在感を示しているものの、それ以外の機関への出資や二国間協力の面において、少なくとも今現在においては貢献度が大きいと見られていない。また、新薬・ワクチン開発については日本の財政的な面での貢献は全く目立たない。 国際的な感染症対策に関する日本の印象を高めるためには、沖縄感染症イニシアティブの際になされたような形で金銭的貢献度を再び高める、あるいは、国際的に必要と考えられているものの他国が協力を決めていない分野への貢献をいち早く宣言する、等の対応が考えられる。
著者
山形 辰史 Yamagata Tatsufumi
出版者
日本評論社
雑誌
経済セミナー
巻号頁・発行日
vol.595, pp.62-63, 2004-08

大学3年の夏休みに物乞いをした。岩手の地方都市に帰省しており、そこから電車で1時間ほどの盛岡に用事があった。用事を済ませたら古本屋があり、そこで鳥居泰彦著『経済発展論』を見つけた。以前から欲しかった本なので、それを買うと帰りの電車賃しか残らないことを知りつつ、買った。盛岡駅に着いたら、実は所持金が電車賃に数十円足りないことがわかり愕然とした。(以下略)