著者
山手 利博
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.491-496, 2011-11-15 (Released:2012-04-21)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

群馬県草津温泉における温泉施設で硫化水素を含む酸性硫酸塩・塩化物温泉に使用されたステンレス鋼製手摺(SUS304)の湯浸漬部が約2カ月で腐食により全面的に溶解した.腐食したサンプルを解析し,現地に残っている手摺の観察,源泉での浸漬試験と自然電位の測定などを行った.その結果,腐食原因は低pH(pH 2以下)および遊離硫化水素の腐食作用と考えられた.pH 2 以下の二つの源泉において硫化水素を含む泉質だけに発生したことから特に硫化水素の影響が大きく,SUS304の活性溶解を早めたものと考えられる.対策としてステンレス鋼の代わりにチタン製手摺を使用し,約18カ月後において発銹や局部腐食の発生はみられない.
著者
山手 利博 蜂谷 實 森田 晃康 三森 友直 遅澤 浩一郎 南雲 一郎
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.436-439, 2010-11-15 (Released:2011-04-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1 3

建物の改修工事などにおいて,湿式消火配管・湿式スプリンクラー配管の溶断やグラインダーによる切断の際,切断部から発火する現象が報じられている.発火の原因として,配管内で発生する水素によることが指摘されている.これらの現象について検証するため,(1)ステンレスフレキ管継手と亜鉛めっき鋼管を接続したガルバニック対配管(2)ステンレス鋼板/亜鉛板のガルバニック対を浸漬させた反応容器に,それぞれ水道水を充填して密閉し,室温で長時間静置する再現実験を行った.測定項目として気体発生の確認,発生気体の成分分析,ガルバニック電流の測定,反応容器内の圧力変化の測定,試験水の分析などを行い,それらの結果を理論的に考察した.その結果,酸素のない淡水(水道水)中においても,水素イオンの還元反応をカソ-ド反応,亜鉛の酸化反応をアノード反応とする電気化学反応(腐食反応)によって,水素が発生し得ることが示唆された.本論文ではその概要について報告する.