著者
長谷 隆司 中山 武典 尾関 寿美男 坂西 敏之
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.93-97, 2012 (Released:2012-10-31)
参考文献数
11

超電導マグネットによる7.0 Tの磁束密度の磁場を印加することによって,通常の磁場を印加しない場合(NMT)に比べて,流動水中の普通鋼板のさびをより抑制できることが判明した.X線回折の定量分析結果は,さびの抑制に役立つと見られるアモルファスやナノサイズのさびの結晶の量の増加に,水の磁気処理(MT)が有効であることを支持している.NMTとMTの両方の場合で流動水が流れる配管の内部をモニタする実験を行って,MTの場合に配管内の鉄さびの付着をより抑制することがわかった.
著者
瀬尾 眞浩
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.341-348, 2012-09-15 (Released:2013-03-01)
参考文献数
44
被引用文献数
3 5

アンダーポテンシャル析出(UPD)とは,水溶液中の金属イオンMz+が金属Mとして析出する平衡電位よりも貴な電位領域で異種金属M'上に析出する現象である.UPDの一般的特徴について述べ,UPDが起きる電位領域の幅はM'とMの仕事関数の差に比例することを強調した.また,酸素還元反応,水素発生反応および金属腐食反応に及ぼすUPDの影響について述べ,反応機構に及ぼすUPD金属の役割を説明した.特にNi 基合金の微量Pbによる応力腐食割れに関連して,PbのUPDがNiの腐食に及ぼす影響について詳しく紹介した.さらに,UPD層の吸着構造から表面合金構造への変化やUPD金属と電解質アニオンの共吸着構造についても触れ,反応機構に及ぼすUPD金属の役割を明らかにするには電極界面のその場解析の重要性を指摘した.
著者
和田 史博
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.771-775, 1999-12-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
3
被引用文献数
7 21

JNFL's Rokkasyo Reprocessing Plant (RRP) is under construction in Rokkasyo village Aomori prefecture, and it is required to select appropriate materials of equipment which possess high degree of corrosion resistance to process solutions based on nitric acid. In other existing reprocessing plants, some troubles caused by corrosion of stainless steel has been reported, and almost of these troubles had been occurred at the equipment used in boiling nitric acid condition. In consideration of these experiences and results, in RRP, distillation under reduced pressure technology adopted and zirconium was selected for boiling nitric acid condition under normal pressure.
著者
升岡 正 黛 正己 新井 拓 谷 純一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.93-98, 2007-03-15 (Released:2007-08-31)
参考文献数
17
被引用文献数
8 13

冷間圧延により圧下率を10%から40%まで変化させた低炭素ステンレス鋼SUS316L材を用いてCT試験片を製作し,BWR炉水模擬環境におけるSCCき裂進展試験を実施した.試験では一定荷重を与えコンパクト型 (1 T-CT) 試験片の初期応力拡大係数が20 MPa√mあるいは30 MPa√mになるようにした.マイクロビッカース硬さ (平均値:Hv) の増加に伴い,き裂進展速度は増大する傾向を示し,Hv 250以上では熊谷らによる加工硬化材の割れ進展速度暫定線図より大きな進展速度を示した.しかし,これら硬さ (圧下率) の大きい試験片の割れ形態はシュラウド熱影響部などに生じたSCC損傷と異なり粒内型SCCが支配的であった.一方,Hv 230 (圧下率 10%) の条件の試験片ではほぼ完全な粒界割れとなり,実機に生じたSCCと同様の割れ形態であった.これらの結果から,冷間加工材に対するき裂進展試験を行う際には,破面形態を十分に考慮し,実機と同等な破面を呈する加工度の試験片を用いる必要性が示唆された.
著者
腐食コスト調査委員会
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.490-512, 2001-11-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
10
被引用文献数
15 38

The first report on the cost of corrosion in Japan had been published at 1977. The report estimated that the corrosion loss in Japan which did not include indirect loss was 1-2 percent of Gross National Product (GNP) at that time. Since then, almost two decades have been passed and the industrial structure has drastically changed. Corresponding to this situation, the committee on the cost of corrosion in Japan was organized at 1999 jointly by Japan Society of Corrosion Engineering (JSCE) and Japan Association of Corrosion Control (JACC). The project was funded by the National Research Institute for Metals (NRIM) in the program of the Ultra-Steels (STX-21) Project. Cost of corrosion at 1997 was estimated by the Uhlig method and the Hoar method. The estimated cost was compared with the past data which was estimated at 1974 by the same Uhlig and Hoar method. In addition to the above estimation, the preliminary analysis by the Input/Output method is performed for estimating the total cost of corrosion including the direct and indirect cost. The overall cost estimated by the Uhlig and Hoar method at 1997 was found to be 3, 938 billion yen and 5, 258 billion yen, respectively, which is equivalent to 0.77% and 1.02% to GNP of Japan. The total cost including the direct and indirect cost, which is estimated preliminary by the Input/Output analysis, is likely to be more than 2 times larger than the direct cost estimated by the Uhlig method.
著者
鈴木 智康 小野 孝也 髙橋 賢 野田 和彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.112-115, 2019-05-10 (Released:2019-10-25)
参考文献数
7
被引用文献数
5 4

物理現象としての結露時におけるACM(Atmospheric Corrosion Monitor)センサの出力挙動と腐食量の関係を明らかにするため種々の試験を行った.結露時のセンサ出力は降雨でのぬれや付着塩の吸水と比較して挙動が異なるため,切り分けて評価する必要があることがわかった.いずれの現象においても,その場測定(in situ)によって得られた出力と腐食量には相関が認められたので,ACMセンサ出力から短時間での腐食速度の推定が可能と考えられる.
著者
栁瀨 幸紀 石川 雄一 酒井 潤一
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.329-332, 2014-05-15 (Released:2014-12-13)
参考文献数
5
被引用文献数
1

本研究は保温材下模擬環境における炭素鋼の腐食に及ぼす金属表面温度と濡れ時間の影響を明らかにすることを目的として行った.試料には炭素鋼SS400を用いた.保温材下模擬腐食試験は40℃~200℃の種々の温度に加熱したプレートヒーター上に試料を乗せ,その上にケイ酸カルシウム保温材を乗せ,その保温材に水分を注水することで行った.また,ACMセンサーを用いて保温材下模擬環境における金属表面の濡れ時間の推定を行った.試験の結果,金属表面温度が100℃以上では発錆が認められなかった.また,40℃~90℃では局所的に発錆が見られ,その侵食深さは温度の低下に伴い深くなった.これは,ACMセンサーによる保温材下金属表面の濡れ時間測定結果およびアレニウスの式による温度と腐食速度の関係より,温度の増大に比して濡れ時間の影響が大きいためであることが明らかになった.
著者
貝沼 重信 山本 悠哉 伊藤 義浩 押川 渡
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.497-503, 2011-11-15 (Released:2012-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
9 12

鋼構造物を腐食による致命的損傷に対して,安全に供用するためには,部材・部位レベルの腐食環境を定量的に把握した上で,その経時腐食挙動を評価することが重要になる.本研究ではFe/Ag対で構成されるACM型腐食センサーを用いて,降雨の影響を受ける無塗装普通鋼板の経時腐食挙動を評価するための方法を提案することを目的とした.そのために,無塗装普通鋼板を用いた大気暴露試験を行った.また,試験体の表裏面における腐食環境と平均腐食深さの関係を定量評価するために,それらの腐食環境をACM型腐食センサーによりモニタリングした.
著者
藤井 秀樹
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.248-253, 2011-05-15 (Released:2011-11-05)
参考文献数
27
被引用文献数
7 8

純チタンおよびチタン合金における水素脆化および関連現象を紹介した.水素脆化は水素化物の生成と密接に関係しており、顕著な量の水素化物が存在する場合、衝撃試験など切欠き付き試験片を用いた高歪み速度試験で脆化が確認できる.定荷重き裂伝ぱ試験など静的な低歪み速度試験では、き裂先端への水素拡散と水素化物生成により脆化すると考えられている.多量のMoやVを含むβ型合金は水素化物が生成しにくく脆化しにくい.
著者
鈴木 智康 小野 孝也 髙橋 賢 野田 和彦
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.201-204, 2019-08-10 (Released:2020-01-24)
参考文献数
11
被引用文献数
1 1

淡水中における金属の腐食性モニタリングの検討を目的とし,種々の水溶液中にACMセンサ(Atmospheric Corrosion Monitor Sensor)を浸漬してその出力電流測定を行った.その結果,水温の変化や微量の水処理剤添加に対する瞬間的な応答を確認したことで,ACMセンサがごく短時間で腐食性の変化を出力として捉えられることがわかった.4種の淡水に対しては異なる出力を示し,RCMセンサ(Resistmetric Corrosion Monitor)での腐食量測定値との相関が高いこともわかった.従って,ACMセンサによって淡水系での腐食性モニタリングの可能性が得られた.
著者
篠原 正
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.116-120, 2014-04-15 (Released:2014-11-14)
参考文献数
31
被引用文献数
4 9

大気腐食は,結露あるいは降雨などの薄い水膜の下で発生し,進展する.水膜の組成は,大気汚染物質沈着速度に依存し,大気の湿度および温度条件ともに変化する.多くのセンサや測定法が,大気環境の腐食性あるいはその環境中での腐食挙動を評価するため開発された.本稿では,それらのセンサや測定法によって評価される,水や付着物あるいは環境因子の役割に基づいて,大気腐食研究の現状と将来展望について述べる.
著者
小野 孝也 鈴木 智康
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.42-45, 2019-02-10 (Released:2019-07-26)
参考文献数
17

ぬれ環境下における腐食速度検討のため,各種濃度のNaCl水溶液中にFe/Ag対ACM(Atmospheric Corrosion Monitoring)センサを浸漬して出力電流測定およびFe-Ag間電位差測定を行った.また,RCM(Resistmetry Corrosion Monitor)センサによって実腐食量を求め,ACMセンサの出力と比較した.その結果,実腐食量とACMセンサ出力には明らかな相関が認められ,ACMセンサの出力電流に比べてFe-Ag間電位差の方が優れていることがわかった.従って,雨が直接かからない環境下では従来の出力電流値を用い,ぬれ環境下ではFe-Ag間電位差を用いることで精度の高い腐食速度推定が可能と考えられる.また,この方法はACMセンサの長寿命化にも寄与できると考えられる.
著者
押川 渡
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.67, no.7, pp.273-279, 2018-07-15 (Released:2019-01-30)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

大気腐食環境下でのACMセンサの測定例について,事例を挙げて解説した.10分ごとに得られたセンサ出力と湿度データを解析することにより,濡れ時間,海塩付着量が推定でき,降雨時のセンサ出力を補正することで屋外における腐食速度が推定可能となった.
著者
大村 朋彦 中村 潤
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.241-247, 2011-05-15 (Released:2011-11-05)
参考文献数
26
被引用文献数
9 7

ステンレス鋼の水素脆性について,高圧水素ガス環境における水素環境脆化に関する最近の研究を中心に,化学組成の影響,水素吸収の影響,疲労特性の観点から概説した.低ひずみ速度引張試験(Slow Strain Rate Test,SSRT)により評価したステンレス鋼の水素環境脆化特性は,ひずみ誘起マルテンサイト相生成の観点から,化学組成の影響を強く受ける.SUS304Lのような合金元素含有量の少ないオーステナイト系ステンレス鋼はひずみ誘起マルテンサイト生成に伴い水素環境中で顕著な延性の低下を示す.SUS316LやA286のような安定オーステナイト系ステンレス鋼は水素環境脆化に対して充分な抵抗性を示す.水素環境脆化特性と水素吸収の相関も調査されている.HEE感受性と水溶液中の陰極チャージによる水素脆化特性は同じ水素吸収依存性を示すことから,水素環境脆化が外部の水素ガス環境からの水素吸収で引き起こされることが示唆される.高圧水素ガス環境における疲労特性が内外圧疲労試験により評価されている.SUS304のような準安定オーステナイト系ステンレス鋼は水素ガスにより疲労寿命の低下を示すが,SUS316Lのような安定オーステナイト系ステンレス鋼の疲労寿命は水素の影響をほとんど受けない.析出強化型ステンレス鋼A286は水素ガスによる疲労寿命の低下を示し,転位のプラナー化や粒界のη相析出の影響が原因と考えられている.
著者
藤田 栄
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.148-150, 2014-04-15 (Released:2014-11-14)
参考文献数
4
被引用文献数
4 4
著者
中山 武典
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.64, no.7, pp.273-280, 2015-07-15 (Released:2016-01-22)
参考文献数
41
被引用文献数
4 4

回折,X線微細吸収構造法,イメージング,光電子分光法などとして利用可能な放射光は,従来のX線機器に比べて,高輝度で指向性に優れるなどの特長がある.このため,鋼材の大気腐食や耐候性鋼さびの生成と構造に及ぼす合金元素の影響,ニッケル上のPbのアンダーポテンシャル析出現象,ステンレス鋼の不動態皮膜の非破壊解析など,様々な金属腐食現象研究に適用されている.一方,回折,小角散乱法,イメージングなどとして利用可能な中性子線は,透過力が強く,水や水素の検出能が高いなどのユニークな特性を有している.これより,耐候性鋼さびの乾湿繰り返しにともなうさび粒子サイズや体積率の評価や塗膜下腐食鋼材のふくれ内部での水の動きの直接観察などの金属腐食現象の研究に応用されている.

2 0 0 0 OA 微生物腐食

著者
佐々木 英次
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.46, no.8, pp.475-480, 1997-08-15 (Released:2009-11-25)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

A brief overview was done on the mechanisms of Microbiologically Influenced Corrosion (MIC). MIC of steels, stainless steel, copper and aluminum alloys were discussed.
著者
土屋 秀紀
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.51, no.7, pp.293-298, 2002-07-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
10
被引用文献数
1

Aluminum cans have been widely used for content of beer and soft drink. They have many advantages to other cotainers such as steel cans, pet bottles, glass bottles and paper cotainers in these contents. Corrosion resistance of both sides, outer and inner, of the can, is a predominant requirement for the can use, and its mechanism has been developed. Corrosion resistance of inner side mainly depends on storage conditions and ingredients of the contents, for example storage temperature, the concentration of chloride ion and residual oxygen. Two types of corrosion at outer side of the cans are popular. One is stress corrosion cracking of aluminum end. The other is secondary corrosion, caused at outer surface of the can with leaked contents. Recent developments, materials, corrosion evaluation methods for Aluminum cans are described.
著者
鳥居 和之
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.117-120, 2010-04-15 (Released:2010-10-01)
参考文献数
6
被引用文献数
3 2

コンクリートのASR膨張によるコンクリート構造物の鉄筋破断の事例が40ほど報告されている.鉄筋破断が発生したコンクリート構造物のリハビリィテーションに関連して,土木技術者は鉄筋破断が発生した構造物の調査診断や維持管理に重大な関心を払ってきている.著者は石川県能登有料道路のASR劣化橋脚の補強工事に長年携わってきた.本稿は鉄筋破断が発生したASR劣化橋脚の実態とその対策の適用例について紹介するものである.
著者
鈴木 智康 小野 孝也
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.66, no.11, pp.348-351, 2017-11-15 (Released:2018-06-06)
参考文献数
7
被引用文献数
1

種々の基板から構成されるACMセンサの挙動を,水溶液中や塩類を塗布しての湿度サイクル試験によって評価した.その結果,ACMセンサは溶液環境においても計測が可能で,NaCl水溶液を用いた試験から,濃度に対して相関が認められた.また,基板を構成するアノードの違いによる出力差が認められた.一方,大気腐食環境模擬試験ではほかの基板もおおむねFe/Ag対センサと同様の挙動になることがわかった.しかし,Alやステンレス鋼では相対湿度と相関がない鋼材固有と思われる出力が現れることがあった.すなわち,ACMセンサによって材料の腐食性を直接評価できる可能性が示唆された.