著者
大下 市子 山本 友江 五島 淑子
出版者
日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.273-282, 1989
被引用文献数
3

大阪, 広島, 山口に在住する学生の家族の調理担当者の, 調理済み・半調理済み食品の利用とイメージについて調査し, 次の結果を得た。<br>1) 最もよく利用されている食品は, インスタント食品の袋入りラーメンで, 月1~2回利用59.1%, 週1~2回利用21.5%, 週3~4回利用3.6%であった。<br>2) そう菜の天ぷら・フライ, コロッケ, パック入りうどん・そば, 佃煮, および冷凍食品のコロッケは, 週1~2回利用する人が15%以上あった。9割の人が利用していないと答えた食品は, だしまき卵, 冷凍食品のシチュー, 茶碗蒸しであった。<br>3) 調理済み・半調理済み食品の利用度合は, 地域間, 世代間, 主婦の就業の有無と関係がみられた。<br>4) 各食品群のイメージをまとめると, 次のとおりである。<br>(1) そう菜は, 煮物に代表されるが, 味はまずく, 衛生面が心配である。<br>(2) 冷凍食品は, コロッケ, ハンバーグに代表され, 揚げ物のイメージが強く, 保存性もあり, 弁当の利用に便利である。<br>(3) レトルト食品は, カレーに代表されるが, まだまだなじみがない。<br>(4) インスタント食品は, ラーメンに代表され, 手軽で便利であるが, 塩分が多い。<br>(5) 持ち帰り食品は, すし, 弁当, ハンバーガーが多く, 便利で手軽であるが, 価格は高い。<br>全般のイメージからは, 味はよくないとしながらも, その簡便さを認めて使用している主婦の姿が写し出された。
著者
大下 市子 山本 友江 足立 蓉子
出版者
山口女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1995

調理済み・半調理済み商品の利用について、1984,1990,1994年に、大阪・広島・山口で学生の家族の調理担当者にアンケート調査を実施した。その結果、調査した30品目を利用の変化から5つのグループに分類し、その特徴を明らかにした。第1のグループは、1984年から1994年の10年間で利用に変化のない食品で、持ち帰り食品のすし、冷凍食品のハンバーグ、インスタント食品のス-プの3種であった。第2のグループは、1984、1990、1994年と利用が増加している食品で、持ち帰り弁当、そう菜のだしまき卵、そう菜の酢の物・あえ物の3種であった。第3のグループは、年次で増減が認められるもので、9種中6種はそう菜であった。第4のグループは1984年から1990年にかけて増加が認められる食品で、8種中レトルト食品3種、持ち帰り2種で、その食品はハンバーグ、カレ-・フライドチキン、ス-プ・シチューと洋風の食品が多く見受けられた。第5のグループは、1990年から1994年にかけて利用が増加している食品で、7種中4種がそう菜、3種が冷凍で、今まで家庭で作るとされていたきんぴら、にしめ、焼き魚等和食の食品が多く見受けられた。現在、これらの食品の利用におよぼす生活概況・食生活概況等の因子について、また、食品のイメージと利用の関連についても解析中である。