著者
田島 明子 山本 弘子 長谷川 幹
雑誌
リハビリテーション科学ジャーナル = Journal of Rehabilitation Sciences
巻号頁・発行日
vol.12, pp.91-100, 2017-03-31

目的:海外旅行に参加した夫婦にインタビュー調査を行い,重度失語症者にとっての本旅行の意味付けと旅行後の生活への影響を考察することで,作業療法における旅行の活用方法について示唆を得ることである.対象と方法:失語症のある人の中から,配偶者が調査時に同席可能であり,旅行後の生活において事故などの旅行とは無関係なイベントのない4 名を対象とし,「発障前の生活」「発症後の生活」「旅行後の生活」「本旅行への関心」「本旅行に対する満足・不満足」「また旅行に行きたいか」について聴取した。結果・考察:本旅行への意味付けと,参加態度,満足度,旅行前後の生活変容の状況を事例毎に整理した.結果より,主体的な旅行参加はその後の生活にも肯定的影響を与える可能性がある,旅行への参加態度は本人の抱く旅行への意味付けの能動性が影響する,旅行に対する満足度の高低と旅行後の生活活性化の有無は関係しない傾向がある,の3 点が考察された.
著者
島本 由紀子 山本 弘子 今井 純好 遠藤 紀雄 亀谷 徹
出版者
北里大学
雑誌
北里医学 (ISSN:03855449)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.432-440, 1988-08-31

1971年から1984年までの13年間に当院で入院加療した小児悪性腫瘍125例(1部121例)について,種類,年齢別患者数,年度別患者数,5年生存率,ALL及びnon-Hodgkinリンパ腫については予後解析を行なった。ALLは,悪性腫瘍の41%,AMLは22%を占め,急性白血病で全悪性腫瘍の63%を占めた。固形腫瘍の中では,神経芽細胞腫の頻度が最も高く,全腫瘍の16%を占めた。神経芽細胞腫は副腎原発のもの,初発時年齢1歳以上のものは極めて予後不良であり,各々5年生存率は12.5%,15%であった。non-Hodgkinリンパ腫ではmodified LSA_2-L_2療法が極めて有効な治療法と考えられた。ALLにおいては予防的頭蓋背椎放射線照射群が他の治療群に比して生存率,骨髄再発率,中枢神経系浸潤率においても有効と考えられた。