著者
上辻 章二 山村 学 權 雅憲 奥田 益司 山道 啓吾 山本 政勝
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.211-214, 1991
被引用文献数
1

正常ラットに閉塞性黄疸を作製し, 胆汁うっ滞型肝障害時に閉塞を解除, 解除後より小柴胡湯合茵〓蒿湯を投与し, 肝機能障害改善効果について検討した。<br>非投与群では, GOT, GPT, T-Bil, ALP 値は, 閉塞解除後徐々に改善し, 2週間後にはほぼ閉塞前値に回復するのに対して, 投与群では, GOT値およびALP値が解除3日目で非投与群に比べ有意に改善された (p<0.01およびp<0.001)。T-Bil値は解除5日目で有意に改善された(p<0.001)。<br>以上より, 小柴胡湯合茵〓蒿湯の閉塞性黄疸解除時よりの投与は, 胆汁うっ滞型肝障害に対し, 速やかな改善傾向を示し有効であった。
著者
吉岡 和彦 早田 和訓 松井 陽一 山田 修 坂口 道倫 高田 秀穂 日置 紘士郎 山本 政勝
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.24, no.9, pp.2379-2384, 1991-09-01
被引用文献数
12

前方切除術およびS状結腸切除術後の排便機能の客観的な評価を試みた.手術を施行された18例において,術前と術後2か月,6か月および12か月に臨床的,生理学的および解剖学的評価を行った.術後2か月の排便回数が1日4回以上のものを不良群,3回以下のものを良好群とすると,肛門縁と吻合部の距離は不良群が良好群より有意に短かった(良好群:10(6〜25)cm,不良群:6(2〜14)cm(中間値と範囲),p<0.025).不良群では安静時肛門内圧,直腸最大耐容量および直腸コンプライアンスは有意に低下した.Pelvic floor descentは不良群では有意に増大した(術前:2.5(1.2〜6.9)cm,術後2か月:4.0(2.7〜5.6)cm,p<0.025).以上のことから術後の排便機能は,肛門縁から吻合部までの距離,肛門内圧,直腸最大耐容量,直腸コンプライアンスおよびpelvic floor descentに関係していると思われた.