著者
山本 研一 中川 興也 氷室 雄也 渡邊 重昭 小橋 正信 吉田 智也 三好 雄二 伊藤 司 鍵元 皇樹 八巻 悟 片岡 伸介
出版者
マツダ株式会社
雑誌
マツダ技報 (ISSN:02880601)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.283-288, 2019 (Released:2019-12-02)
参考文献数
5

車両の軽量化と乗心地の向上,ロードノイズ低減との両立をねらい,振動の伝達系にあたる車体フレームを対象とした減衰制御構造(減衰節構造,減衰ウェルドボンド接合),及び本構造に使用する振動減衰性に優れた構造用接着剤を新たに開発した。減衰節構造について,同等質量の簡易フレームを用いて基礎検証した結果,剛性に加えて減衰性が向上し,高い質量効率で振動が低減することを確認した。実車を用いた効果検証では,車体の振動が低減したとともに,100km/h走行時のロードノイズが運転席で最大5dB低減することを確認した。
著者
岩坪 史弥 渡村 友昭 杉山 和靖 山本 研一朗 四元 祐子 塩野 貴史
出版者
日本混相流学会
雑誌
混相流 (ISSN:09142843)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.124-131, 2018-03-15 (Released:2018-05-03)
参考文献数
20

To clarify the spatial structure of number density distribution of bubbles in stout beer poured into a container, we investigated local time development of the void fraction and velocity of bubbles. The propagation velocity of the texture, i.e. the number density distribution, appearing near the inclined wall of the container is measured by the images analysis. We measured the local void fraction using brightness of images while the velocity of bubbles by means of Particle Tracking Velocimetry. As the result of measurements, we found the local void fraction and the bubbles advection velocity increase and decrease repeatedly with a time delay. We conclude the pattern of the number density distribution of bubbles is composed of fluid blobs which contain less bubbles; extruding and suction flows respectively toward and from the interior of the container form respectively in front and back of the blobs.
著者
塩野 貴史 河合 淳一郎 山本 研一朗
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.99-103, 2018-03-15 (Released:2018-03-20)
参考文献数
13

In recent years, the demand for beverages with lower caffeine concentrations has been expanding. However, traditional decaffeination technologies for tea and coffee not only remove caffeine, but also reduce the active components responsible for beverage flavor and quality. In this study, we investigated the selectivity and versatility of decaffeination by montmorillonite (MMT) in beverages. MMT adsorbed caffeine from tea and coffee extracts more selectively than activated carbon (AC). Optimization of the contact conditions enabled stable decaffeination and prevented elution of Fe ions from MMT, which causes discoloration of tea beverages. MMT exhibited similar caffeine adsorption properties with various types of tea extracts and coffee extracts. In addition, ion-exchanged MMTs, which also removed caffeine, improved the appearance quality of decaffeinated beverages. Overall, our findings suggest that MMT is a useful adsorbent for producing high-quality decaffeinated beverages. Specifically, decaffeinated tea beverages treated with MMT have been commercially available since 2014 from Kirin Beverage Company Ltd.
著者
山本 研一 森田 義郎 川上 良策 小沢 透
出版者
社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.63, no.8, pp.1372-1376, 1960

著者らは低級炭化水素から重油までの原料油を用いて, これらと水蒸気との高温における反応の研究を行なっているが,その一部として従来ほとんど研究の行なわれていない多成分系触媒による灯油と水蒸気の反応の研究を行なった。この反応は800℃ 以上の高温で水蒸気の共存の下に強い還元気流と酸化気流にさらされるので,使用できる触媒は著しく制限される。そこで適当と考えられる幾つかの触媒を取り出して比較したところ,ニッケル・バナジウム系触媒が最もよい結果を示した。また優秀な触媒幾種類かについて接触条件を定め,理論的に推定される極限値との比較も試みたが,その結果はかなり優秀なものであった。触媒のニッケル含量は5wt%で一応活性の大きなものが得られたが,それ以上にニッケル含量を増加しても,ほとんど効果がないことがわかった。次に反応前後における触媒層内の温度分布について調べたが,触媒層に達する前に灯油の分解がおこり,そのフラグメンツ(切片)が触媒層において水蒸気と反応するものであることが推定された。
著者
吉村 弘二 山本 研一
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.373-411, 1980 (Released:2007-03-29)
参考文献数
110
被引用文献数
6 3

morphine(MP),phenobarbital(PNB),diazepam(DZP),methamphetamine(MAPT)およびcocaine(CC)依存ラットについて薬物依存形成期ならびに突然休薬時の自発運動と脳波を日内リズムとの相関から解析し,同時に脳内アミン(NE,DA,5-HT)の消長を調べた.正常ラットの自発運動や脳波は一般に昼間睡眠,夜間覚醒型の日内リズムを有しているが,MP(5→50mg/kg),MAPT(0.5→5mg/kg),CC(5→40mg/kg)を1日2回8週間連続皮下注射する中に投与量と投与日数の増加に伴い注射直後から約4時間の間,自発運動は著しく増加し,脳波的睡眠図では覚醒期の増加,徐波―速波睡眠期の減少が認められた.このときMAPT,CCでは脳波が賦活されるが,MPでは動物の行動が覚醒的であるのに高振幅徐波が現れ行動と脳波の分離が認められた.barbiturate型薬物PNB(10→70mg/kg)とDZP(10→120mg/kg)を1日2回連続経口投与すると昼間の覚醒期は減少し,徐波睡眠期は増加するが,日内リズムには著しい変化が認められなかった.突然休薬を行うとMP群の自発運動は昼夜間差のない単調で低い活動レベルに終始する日内リズムに変わり,脳波では覚醒期の増加,徐波深睡眠期と速波睡眠期が減少して安静波ないし浅睡眠波のみとなった.PNBとDZP群では昼夜間とも活動型のリズムに転じ,脳波では覚醒期が増加,徐波睡眠期は減少した.この現象はDZPよりPNR群においてより著しかった.一方,MAPT,CC群では休薬後昼間の睡眠―覚醒周期はたちまち対照のリズムに戻るが夜間の睡眠量は対照に比べ増加した.各薬物の依存形成期ならびに突然休薬期には脳内のNE,DA,5-HT含量およびその代謝回転率に変化が現れた.すなわちMP禁断時には視床下部の5-HT代謝回転が促進し,その含量は著しく減少した.MAPTの連続投与により視床下部のNE含量と5-HT含量は著しく減少するが,一方,線条体のDA含量は増加し,5-HTの代謝回転は促進した.