著者
阿久津 聡 勝村 史昭 山本 翔平
出版者
株式会社 リクルート リクルートワークス研究所
雑誌
Works Discussion Paper (ISSN:24350753)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-21, 2021 (Released:2023-12-13)

本研究では、競争的な仕事環境と主観的不健康感との間の直接的および(ワーカホリズムを介した)間接的な関係を検討した。また、競争的な仕事環境と主観的不健康感の関係、および競争的な仕事環境とワーカホリズムの関係における認知の歪みの調整効果を検証した。データは、様々な業種、職種、さらには職位の就業者 9,716 名から収集した。その結果、競争的な仕事環境は、直接的にも、またワーカホリズムを介しても、主観的不健康感と正の関係性が示された。さらに、認知の歪みが、競争的な仕事環境とワーカホリズムとの間の正の効果を調整し、認知の歪みが高い場合の方が、(低い場合に比べて)その正の関係性が強まることが明らかになった。この研究は、従業員の健康に対する意識が高まっている日本企業にとって、重要で実践的な意味を持つものである。
著者
阿久津 聡 内田 由紀子 中田 光紀 永田 智久 宮本 百合 Lee Jinju 山本 翔平
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2021-04-05

研究者らはこれまでの研究で、遺伝子発現の技術を使い、会社に対する評価や職場での協調、自己効力感といった要因が高いと炎症マーカーの抑制や細胞性免疫の増強につながることを突き止めた。本研究では、働く人々の健康に影響を及ぼす、①国の文化、②企業、③従業員という3つの要因間の関係性を理論化した「三層モデル」を構築し、産業医学・神経科学・心理学の方法論を援用してモデル検証する。さらにモデルを基に介入調査を立案・実施し、その効果検証まで行い、効果的な健康経営施策への含意をまとめる。