著者
阿久津 聡 勝村 史昭 山本 翔平
出版者
株式会社 リクルート リクルートワークス研究所
雑誌
Works Discussion Paper (ISSN:24350753)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.1-21, 2021 (Released:2023-12-13)

本研究では、競争的な仕事環境と主観的不健康感との間の直接的および(ワーカホリズムを介した)間接的な関係を検討した。また、競争的な仕事環境と主観的不健康感の関係、および競争的な仕事環境とワーカホリズムの関係における認知の歪みの調整効果を検証した。データは、様々な業種、職種、さらには職位の就業者 9,716 名から収集した。その結果、競争的な仕事環境は、直接的にも、またワーカホリズムを介しても、主観的不健康感と正の関係性が示された。さらに、認知の歪みが、競争的な仕事環境とワーカホリズムとの間の正の効果を調整し、認知の歪みが高い場合の方が、(低い場合に比べて)その正の関係性が強まることが明らかになった。この研究は、従業員の健康に対する意識が高まっている日本企業にとって、重要で実践的な意味を持つものである。
著者
阿久津 聡 勝村 史昭
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.5-26, 2016-06-30 (Released:2020-04-14)
参考文献数
36
被引用文献数
4

本稿は,これまで企業と顧客との関係性の問題として議論されることが多かったブランディング活動について,組織力強化プロセスという観点から考察するものである。ブランディング活動は組織力の強化に寄与し,それによってブランド価値が高まるという分析的枠組みを提示し,それを基に複数企業のブランディング活動の内容とその効果を定性及び定量的に検討した。具体的には,当該企業の事例を基に,組織風土や社員の思考・行動様式に対してブランディング活動が及ぼす効果について定性的に分析した上で,日本市場における主要ブランドの価値を測定しているブランド・ジャパンの定量データを用いて対象企業のブランド力の推移からブランディング活動の効果を分析した。