著者
山本 順寛
出版者
社団法人日本化学会
雑誌
化学と教育 = Chemical education (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.45, no.7, pp.394-395, 1997-07-20
参考文献数
2
著者
山本 順寛 加柴 美里 吉村 眞一
出版者
東京工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

代表者らはサポシンBがCoQ10結合蛋白質であることを報告してきた.サポシンB前駆体タンパク質プロサポシンのノックアウトマウスでは,CoQ投与食添加後の血漿中や臓器中の外因性CoQ量が低下し,外因性のCoQがミトコンドリアに到達しないことを見出した.ヒト肝がん由来HepG2細胞のプロサポシン発現量改変株解析の結果,高発現株ではCoQ10量が増加し,ノックダウン株では減少することを見出した.以上の知見から,サポシン類は,CoQ10量の維持に必須のタンパク質であると考えられた.
著者
山本 順寛
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.1, no.5, pp.503-508,469, 2001-05-01 (Released:2013-04-25)
参考文献数
17
被引用文献数
4 4

脂質酸化反応の新展開についてまとめた。生体成分中で最も酸化されやすいのは高度不飽和脂肪酸を含む脂質である。高度不飽和脂肪酸の酸化はフリーラジカル連鎖酸化を受け, 一つのラジカルが数百の脂質ヒドロペルオキシドの生成をもたらす。アラキドン酸の酸化ではイソプロスタンを含む多数の酸素が付加した生成物が出来る。有機溶媒中の高度不飽和脂肪酸の酸化反応性は, 含まれるビスアリル水素の数に比例するが, 水溶性ミセル系では逆になる。基質減少量に対する酸素消費量の比をみると不飽和度が増すにつれて1から3.4へと増加するので, ドコサヘキサエン酸由来のペルオキシルラジカルはリノール酸由来のペルオキシルラジカルよりも極性が高いと考えられる。ミセル核の中に位置するブチルヒドロキシルトルエンの減少速度は不飽和度が増すにつれて低下した。したがって, より高度の不飽和脂肪酸由来のペルオキシルラジカルはミセル表面に拡散し, 結果としてフリーラジカル酸化の停止反応が亢進し, 成長反応が抑制され, 酸化反応性が低くなる。筆者らは分析操作中のアーチファクト酸化のない信頼できる, ヒト血漿中のコレステロールリノレートのヒドロ (ペルオ) キシドの立体異性体の測定法を開発した。健常人の血漿から全てのコレステロールリノレートヒドロ (ペルオ) キシドの立体異性体が検出できた。したがって, フリーラジカル連鎖酸素酸化が確実に健常人でも進行していることが明らかになった。