著者
千崎 雅生 山村 司
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌 = Journal of the Atomic Energy Society of Japan (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.458-462, 2009-06-01
参考文献数
7

<p> 大統領に就任から3ヶ月後の4月5日,オバマ氏はプラハで,長期的目標として核兵器のない世界をめざすと演説し,注目を集めた。軍縮や核不拡散に関して初めて発表した包括的な政策の中で述べたもので,年内に第1次戦略兵器削減条約(STARTⅠ)の後継条約を締結する意向も示した。本稿では,これらの演説や共同声明,選挙キャンペーン等での核不拡散・原子力に対しての政策表明,また主要閣僚の指名公聴会における発言や関連ポストの人選等を踏まえ,特に原子力平和利用に関連するオバマ政権の核不拡散・核軍縮・原子力政策について解説するとともに,ブッシュ前政権などとの政策の比較,我が国の原子力計画への影響や課題などを考察する。なお,本稿は,日本原子力学会「2009年春の大会(核不拡散・保障措置・核セキュリティ連絡会)での講演内容を,筆者が加筆修正したものである。</p>