著者
島田 雅晴 小野 雄一 長野 明子 山村 崇斗
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2016-04-01

前年度に引き続き、料理レシピサイトをコーパスとして、普遍文法の観点から日英語を対象に言語接触の研究を推進した。島田は大学院生のリサーチアシスタントとともに、対象とする英語の前置詞をon、inのほかにwithも加え、データ収集と分析を行った。長野は言語接触理論の文献調査をかなり深いところまで行い、独自の理論構築を行った。小野は言語処理技術を用いて、大学院生とグループを作り、データの抽出と分類、分析を行った。山村は日本語における前置詞の借用一般について調査し、論考をまとめた。研究推進の一環として、6月にリヨン第2大学のVincent Renner氏、高知県立大学の向井真樹子氏を迎え、Tukuba Morphology Meetingという国際ワークショップを2日間にわたり筑波大学で開催し、代表者、分担者のメンバー全員が発表した。また、9月には筑波大学主催のつくばグローバルサイエンスウィークの中で九州大学の廣川佐千男氏、埼玉大学名誉教授の仁科弘之氏、クックパッド株式会社の原島純氏を迎え、Industry-Academia Collaboration among Pure, Applied, and Commercialization Researches Based on Linguistic Dataという国際ワークショップを開催した。また、研究成果の社会への還元を目的として、大学院生とともに、代表者、分担者全員が参加して、中学生を対象にして「ひらめき☆ときめきサイエンス」で講座を開講した。主な研究成果としては、長野と島田が共著で、言語接触に関する理論の提案と具体的な日英語接触についての分析を行った論文を刊行した。また、島田がリサーチアシスタントと共に国立情報学研究所で行った研究発表が「企業賞:クックパット賞」を受賞した。