著者
村本 多恵子 山根 仁一 田中 美郷 阿波野 安幸
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.244-249, 1991-08-31 (Released:2010-04-30)
参考文献数
14

泣いている新生児に胎内音をきかせると体動を停止して泣き止むことが知られている。 この反応を新生児の聴覚スクリーニングとして用いるため, 自動的に記録できる装置を開発し, 正常成熟新生児47例と, 周産期に異常の認められた新生児11例について反応を記録した。 反応の有無の判定は極めて容易であつた。 正常成熟新生児47例の胎内音をきかせた場合 (on記録) の反応出現率は46.3%, 胎内音をきかせない状態 (off記録) で偶然に体動を停止する率は24.2%で, 胎内音をきかせたほうが新生児が泣き止む確率が明らかに高かった。 個々の新生児についてみると, on記録の反応出現率がoff記録の見かけ上の反応出現率を下回ったのは, 47例中1例のみであった。 一方, 周産期に異常の認められた新生児では, 泣き続ける力が乏しいなため, off記録での体動停止の確率が高く, そのため, これらの新生児の聴覚のスクリーニングとしては十分に有効とはいえなかった。
著者
山根 仁 金原 伸大 江田 慧子 中村 寛志
出版者
信州大学農学部附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.8, pp.29-39, 2010-03

本研究は長野県松本市にある上高地において,チョウ類群集の季節変動や種構成を明らかにするとともに,チョウ類群集を用いて環境評価を行った。調査は2009年5月26日,6月23日,7月24日,7月30日,8月20日,10月16日の計6回のチョウ類のトランセクト調査を行い,また2009年7月24日と7月30日には定点観測を実施した。その結果,トランセクト調査では7科41種554個体が,また,定点観測では6科24種152個体が確認された。上高地の種構成は高原性種の割合が53.7%で最も高く,またクモマツマキチョウ北アルプス・戸隠亜種Anthocharis cardamines isshikii,オオイチモンジLimenitis populi jezoensis,コヒオドシAglaisurticae esakii の3種の高山チョウが確認された。上位優占3種は,ヤマキマダラヒカゲNeope niphonicaniphonica,コムラサキApatura metis substituta,スジグロシロチョウPieris melete meleteであった。Simpson の多様度指数の値は,平均8.22で6月23日以外は安定した値を示した。EI 指数は100となり,「良好な林や草原」と判定され,環境階級存在比(ER)による環境評価では,天然更新林といった環境の1次段階と判定された。また,過去の上高地や近隣の島々谷のチョウ類群集との比較から,現在の上高地のチョウ類群集はタテハチョウ科や高原性種が増加傾向にあり,それらの種の生息に特に適した環境になりつつあることが示唆された。
著者
村本 多恵子 山根 仁一 田中 美郷 阿波野 安幸
出版者
Japan Audiological Society
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.244-249, 1991

泣いている新生児に胎内音をきかせると体動を停止して泣き止むことが知られている。 この反応を新生児の聴覚スクリーニングとして用いるため, 自動的に記録できる装置を開発し, 正常成熟新生児47例と, 周産期に異常の認められた新生児11例について反応を記録した。 反応の有無の判定は極めて容易であつた。 正常成熟新生児47例の胎内音をきかせた場合 (on記録) の反応出現率は46.3%, 胎内音をきかせない状態 (off記録) で偶然に体動を停止する率は24.2%で, 胎内音をきかせたほうが新生児が泣き止む確率が明らかに高かった。 個々の新生児についてみると, on記録の反応出現率がoff記録の見かけ上の反応出現率を下回ったのは, 47例中1例のみであった。 一方, 周産期に異常の認められた新生児では, 泣き続ける力が乏しいなため, off記録での体動停止の確率が高く, そのため, これらの新生児の聴覚のスクリーニングとしては十分に有効とはいえなかった。