- 著者
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奥村 昌恵
齊川 真聰
山浦 卓
小口 勝司
中山 貞男
- 出版者
- 昭和大学学士会
- 雑誌
- 昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.4, pp.229-236, 2002-08-28 (Released:2010-09-09)
- 参考文献数
- 14
アトピー性疾患は, 近年増加の一途をたり, その難治化は世界中で大きな問題となっている.特に, アトピー性皮膚炎はTh1型, Th2型アンバランスにより起こる皮膚アレルギー炎症で, 再発性のある事が知られており, その治療法も多岐にわたっている.今回我々は, 鍼刺激の, 皮膚アレルギー炎症モデルマウスに対する効果について検討を行った.まず, ICRマウスをオキサゾロンによって感作した後, 誘発時より鍼刺激を開始した.皮膚アレルギー炎症の指標として, マウスの耳介腫脹率の変化, 耳介重量及び, サイトカイン類はELISA法にて測定した.その結果, 鍼刺激群は対照群と比べ, マウスの耳介腫脹率及び耳介重量を抑制した.血清サイトカイン類の検討では, 鍼刺激群ではIL-2, IFN-γ, 及びIL-10産生を抑制した.また, 耳介組織サイトカイン類の検討では, IL-4, Ig-E及びIFN-γ産生の抑制を示した.以上の結果から, 鍼刺激はICRマウスの皮膚アレルギー炎症に対して抑制的に作用することが示唆された.