著者
山田 勝弘
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.713-726, 2006-11-01 (Released:2011-03-18)

平成15年1月23日に代田文彦先生は63年の生涯を全うされた。それ以後の私共は、まるで主を失った迷える小羊のような3年間であった。このたび、今学術大会において先生の足跡を辿る機会を得て、先生が示された数々の教えを「鍼灸臨床の真価」として報告する。この演題を頂いた時、偉大な先生をわたくし独りの思いで語るにはあまりに-面的であると考え、26年間にわたり日産厚生会玉川病院東洋医学研修センターで先生に学んだ方々にもご協力を頂き今回の内容になった。この講演内容は、かつて日産厚生会玉川病院東洋医学研修センターに所属し先生に学んだ18名の方々の報告、先生のご著書、学会報告など基にした先生の思い、私が演題に沿うように構成した。本大会のような公の場で先生が言い切れなかった思い、臨床の場で何気なく研修生に語りかけた先生の真実の思い、そして2000年の神戸大会の先生の遺言ともいえるような講演の一部を取り上げ纏め.上げたものである。