著者
山田 正栄
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
熱硬化性樹脂 (ISSN:03884384)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.178-192, 1992-09-10 (Released:2012-08-20)
参考文献数
19
被引用文献数
1

自動車部品分野における軽量化, コストダウンを目的とした金属部品の樹脂化が進展する中で, この分野におけるガラス繊維強化フェノール樹脂成形材料の需要は目ざましい伸びを示している。過酷な条件下で長期の信頼性が要求される自動車部品に多く使用されているのは, ガラス繊維強化フェノール樹脂成形材料が持つ優れた耐熱性, 機械強度, 寸法安定性, 耐薬品性等が認められたことに他ならない。一方では熱硬化性樹脂に共通の「脆さ」, 金属と比較した場合の「摩耗」など改良すべき余地も残っており, 諸物性の向上, 新機能の付加などにより今後も用途拡大が図られよう。本稿では, 金属材料及び熱可塑性エンジニアリングプラスチックスと比較しながら, ガラス繊維強化フェノール樹脂成形材料の特長を主に概説する。