- 著者
-
加門 隆
- 出版者
- 合成樹脂工業協会
- 雑誌
- 熱硬化性樹脂 (ISSN:03884384)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, no.2, pp.94-111, 1985-06-10 (Released:2012-08-20)
- 参考文献数
- 61
- 被引用文献数
-
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熱分析にはいろいろな方法があり, 原理, 操作が簡単ではあるが, ガラス転移温度, 融点, 熱膨脹, 反応, 熱分解など多くの情報が得られるので, 高分子材料の分野でも広く用いられているが, 本稿ではこれらのうち示差熱分析 (DTA), 示差走査熱量分析 (DSC) などの熱測定の熱硬化性樹脂の硬化反応への応用についてのみ述べたものである。これらの方法により, 広い温度範囲にわたり, 容易に, 迅速に複雑な熱硬化性樹脂の硬化の過程が得られるだけでなく, 硬化反応の速度論的解析もできることを示した。このことから, これらの方法は熱硬化性樹脂の化学的研究のみでなく, 成形材料, 接着剤, 塗料などの工業材料の品質管理にも用いることができる。