著者
山田 貴博
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.72, no.2, pp.I_277-I_284, 2016 (Released:2017-01-29)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

近年,数値シミュレーションの信頼性の確保のためのアプローチであるVerifiction and Validation(V & V)に注目が集まっている.数値計算手法の基本的特性の評価および数値解析コードの検証(verifiction)においては,Roache等によって提案された創成解の方法(Method of Manufactured Solutions)が流体力学の問題を中心に広く用いられている.一方,強形式に基づく従来の創成解の方法を固体力学の問題に適用する場合には,応力の空間微分を求めることが必要となることから,これまでは使われることが少なかった.この問題点に対して,筆者等は弱形式に基づくことで応力の空間微分を回避する手法を提案している.本研究は,この手法を超弾性体の大変形問題に対する創成解の方法に適用し,従来検討されることの少なかった大変形状態における有限要素法の近似特性の評価を行うものである.
著者
山田 貴博 仲田 光秀
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.I_319-I_326, 2015 (Released:2016-02-22)
参考文献数
14

局所的な力学挙動を含むはりの有限要素解析に対して,はり要素とソリッド要素を適切に接続することにより低コストで高精度な数値計算を実現する手法について考える.従来の多点拘束(MPC)法やペナルティ法による手法では,接続条件を変位のみで考慮していることから,ソリッド要素領域のはり要素が接続する境界近傍に不自然な変形状態が発生する.本研究では,このような問題点を改善する手法として,接続境界における応力ベクトルの連続性を考慮できるNitsche法の適用を提案する.提案する手法では,はり理論から計算できる応力分布をソリッド要素でモデル化された領域の接続境界における応力ベクトルとするものであり,ソリッド要素領域の接続境界近傍においてもはりとして自然な応力分布が再現される.