- 著者
-
速水 淳史
山脇 光夫
堀尾 武
- 出版者
- Meeting of Osaka Dermatological Association
- 雑誌
- 皮膚 (ISSN:00181390)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.2, pp.175-178, 2000 (Released:2010-08-25)
- 参考文献数
- 16
炎症性辺縁隆起性白斑は尋常性白斑の1症状または1亜型と一般的に考えられており, 発症機序に関してはいまだ定説はないが, 細胞性免疫の関与が強く示唆される。症例は61歳, 男性。前胸部に環状紅斑が出現し拡大傾向にあったため受診された。初診時, 左頚部に不整形脱色素斑とそれを取り囲むように境界不明瞭な浮腫性紅斑及びその近縁に白斑を伴わない淡い紅斑も認めたため, 炎症性辺縁隆起性白斑と診断した。ステロイド内服, 外用にて治療を行い, 治療開始後約3週間で白斑辺縁部の紅斑は消失し, 白斑の辺縁も不鮮明となってきた。このことより早期に炎症症状を消退させることが白斑の新生を抑える上で重要であると思われる。