- 著者
-
山西 倫太郎
- 出版者
- 公益社団法人 日本農芸化学会
- 雑誌
- 化学と生物 (ISSN:0453073X)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.11, pp.764-771, 2009-11-01 (Released:2011-07-28)
- 参考文献数
- 52
国民の健康志向とともに,食品に対する免疫調節への期待は高まっている.そして,近年は衛生仮説やToll-like receptorを介した自然免疫系の研究の進展を背景に,プロバイオティクスによる免疫調節の研究が盛んであり,知識の集積が進んでいる.一方,β-カロテンなどのカロテノイドによる免疫系への作用の研究も比較的古くから行なわれており,報告されている作用の種類も多岐にわたっている.ここでは,免疫に関するカロテノイド研究のこれまでを振り返り,その中から β-カロテンが抗原呈示細胞に及ぼす影響に関する研究についてその背景・現況を紹介するとともに,カロテノイド研究の今後の課題に言及する.