- 著者
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林 政彦
酒見 昌伸
安井 万奈
山﨑 淳司
堤 貞夫
- 出版者
- 宝石学会(日本)
- 雑誌
- 宝石学会誌 (ISSN:03855090)
- 巻号頁・発行日
- vol.32, no.1-4, pp.3-16, 2016-04-30 (Released:2017-01-16)
縄文時代の6千年前頃から首飾り等に使われていたヒスイ(翡翠,ヒスイ輝石(Jadeite))は,主に新潟県糸魚川市~富山県朝日町周辺で産出したとされている.わが国では,新潟県以外にも鳥取県若桜町,岡山県新見市,兵庫県養父市あるいは長崎県長崎市などからも産することが報告されている。さらに外国では,ミャンマー,アメリカ,グアテマラ,ロシアなどが知られている。今回入手した各地の試料を調べた結果,輝石族の鉱物名分類(Morimotoら,1988)1)に従うと,ほとんどのものはヒスイ輝石であったが,いくつかの産地のものはオンファス輝石(Omphacite)と呼んだ方がよいものであった。