- 著者
-
土井 宏育
岡 達三
野々村 禎昭
- 出版者
- 日本海水学会
- 雑誌
- 日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
- 巻号頁・発行日
- vol.61, no.6, pp.342-351, 2007 (Released:2013-02-19)
- 参考文献数
- 34
蛋白質分解酵素E77によるクラゲ分解廃液中のCODMn低減を指標に, クラゲ分解廃液を栄養源として増殖可能な酵母および細菌群を沿岸海域および汽水域の底泥から採取した. 耐塩性微生物を包括固定化し, バイオリアクタ-により塩分含有有機性廃液の処理を行った. 3%寒天廃液で調製したペレットに耐塩性微生物を1週間クラゲ分解廃液で馴養して包括固定化した. 酵母と細菌群混合を包括固定化したバイオリアクター処理により, クラゲ分解廃液中のCODMnを処理日数4日間で84%除去することができた. さらにバイオリアクター処理に水酸化カルシウムによる凝集沈澱と活性炭処理を併用することによりCODMnをほぼ100%除去できた. 塩分含有有機性廃液の処理を行った微生物叢を解析した, 酵母の形態および28SrDNA-D1/D2塩基配列の解析により, Rhodotorula mucilaginosaであると同定された. 細菌群のPCR-DGGE解析により, 6種類の細菌からなる群集構造が明らかとなり, Sphingobacterium属2種, Aeudomonas属, Flavobacterium属2種, およびBacillus属の細菌から構成される細菌叢を形成することが推定された.