著者
岡崎 百合子 岡崎 慎一郎 浅本 晋吾 今本 啓一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.47-60, 2023 (Released:2023-05-15)
参考文献数
35
被引用文献数
1

コンクリートの乾燥収縮挙動に対し,機械学習モデルを構築し,モデルの学習結果を解釈することによって,偏りがあるデータ群の影響を抑制しつつ,各説明パラメータが乾燥収縮に与える主な影響,すなわち支配構造を抽出し,定式化するといった新しいアプローチ法を提案した。本アプローチ法に基づき,コンクリートの配合および骨材の特性が乾燥収縮に与える影響を分析した結果,単位水量と骨材体積をパラメータとした配合の非線形影響や,配合により異なる骨材の吸水率の影響度等,複雑な支配構造が抽出された。抽出した支配構造を定式化した結果,定式による予測値は,実測値の乾燥収縮率を良く再現しており,データの密度が疎になる領域において特に予測精度が改善されることを確認した。
著者
岡崎 百合子 岡崎 慎一郎 浅本 晋吾 今本 啓一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.37-46, 2023 (Released:2023-05-15)
参考文献数
38
被引用文献数
1

コンクリートの乾燥収縮に対する要因は,配合条件である単位水量や水セメント比等の影響に加え,近年,骨材自体の収縮に起因する影響が周知の事実となっている。骨材による影響は,土木学会の示方書式や日本建築学会式のひび割れ制御指針において定性的には組み込まれているものの,その複雑性ゆえに十分に解明されていない現状にある。そこで,本研究では,骨材の物性が収縮に与える影響を把握することを目的に,データの裏に潜む支配機構を柔軟に抽出できる機械学習を援用した分析を実施した。その結果,骨材の平均比表面積が支配的な影響力を有し,さらに,配合条件と骨材の平均比表面積が連関しながら収縮へ影響を及ぼすといった支配機構の存在が示唆された。
著者
岡崎百合子 岡崎慎一郎 浅本晋吾 全邦釘
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2019(札幌)
巻号頁・発行日
2019-06-11

コンクリート橋梁の劣化は,塩害や中性化等に起因する損傷と活荷重等の作用が互いに関連し,極めて複雑な様相を呈することから,その損傷予測に対し,膨大な情報の裏に潜むパターンを認識できる機械学習が注目されている。本研究は,コンクリート橋梁の劣化に関するデータのように,入力パラメータが多く,時間軸上に稠密でもなく等間隔でもないデータ群を対象として,機械学習の各アルゴリズムを用いた回帰モデルの性能比較を行い,最も適したアルゴリズムの選択を試みるものである。