著者
鎌田 敏郎 西田 孝弘 今本 啓一 宮里 心一 長田 光司 河合 慶有 網野 貴彦 大即 信明
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.987-992, 2022 (Released:2023-11-01)
参考文献数
2

(公社)日本コンクリート工学会では,「コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針-2013-」を,同指針2009の小改訂として刊行している。2009年の大改訂から13年が経過し,この間の新たな知見を加え,この度,「コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針 2022」を刊行した。この指針は,ひび割れに関心のあるすべての方が,ひび割れ発見から,調査,原因推定,評価,判定,補修・補強を体系化して行える指針である。本稿では同指針の内容を解説する。
著者
大即 信明 鎌田 敏郎 今本 啓一 長田 光司
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.638-643, 2014 (Released:2015-08-01)
参考文献数
2

日本コンクリート工学会では,コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針-2013-を同指針-2009-の小改訂版として刊行した。この指針は,ひび割れに関心のあるすべての方が,ひび割れ発見から,調査,原因推定,評価,判定,補修・補強を体系化して行える指針である。本稿では同指針の内容を解説する。
著者
岡村 健太郎 安井 昇 加來 千紘 腰原 幹雄 今本 啓一 大島 耕平
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住総研研究論文集・実践研究報告集 (ISSN:2433801X)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.13-24, 2018 (Released:2018-08-31)

焼杉に関する研究を通し,以下のことを明らかにした。まず,インタビューおよび辞書調査により,特殊で特権的な技術として捉えていた焼杉が,安価でごくありふれた技術であった可能性を指摘した。また,滋賀県以西に分布するとした既往研究に対し,深層学習とGoogleストリートビューを用いることで,より詳細に地域分布を明らかにし,その要因を分析した。一方,耐久性能については,今回の実験では実証することができなかったが,その要因分析から「炭化層」の裏 にある「受熱層」に関する仮説を新たに構築した。さらに,焼杉の普及に向けた課題および解決策を整理し,今後の研究展開として,ファサードエンジニアリング研究の構想を描いた。
著者
橘高 義典 今本 啓一 半井 健一郎 山田 一夫 宮里 心一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.984-991, 2014 (Released:2015-11-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

東日本大震災での福島第一原子力発電所の事故により,放射性物質を有する汚染水が敷地内に大量に残留しており,それらの処理,一時保管,漏洩防止などが重要な課題となっている。また,外部に飛散した放射性物質により汚染された廃棄物などの処理,処分,再利用技術が必要とされている。本稿では,コンクリート工学の視点からこれらの問題に関連する既往研究,報告,技術提案などを概説する。
著者
多賀紀晃 今本啓一 清原千鶴
雑誌
コンクリート工学年次大会2023(九州)
巻号頁・発行日
2023-06-16

既存鉄筋コンクリート造構造物の耐久性を示す指標の一つに,鉄筋腐食が挙げられる。近年中性化が鉄筋に到達した箇所においても質量含水率が低い箇所では鉄筋腐食の進行が抑えられている調査結果が多く報告されている。現在,コンクリートの質量含水率は主に乾式コアの採取により測定が行われているが、コアの採取が困難なケースもある。そこで,本研究では電気抵抗式含水率計を用いて既存の実構造物を中心に測定を行い,簡易的に微破壊でコンクリート内部の質量含水率を把握する方法の有用性について検討を行った。結果、普通ポルトラルドセメントが用いられたコンクリートであれば比較的問題なく測定が行えることがわかった。
著者
菊地俊文 片山行雄 黒田泰弘 今本啓一
雑誌
コンクリート工学年次大会2023(九州)
巻号頁・発行日
2023-06-16

普通コンクリートでは,適切な対策を講じることで,受入れ時のコンクリート温度の上限値を35℃から38℃に変更することが認められているが,マスコンクリートは対象外とされている。本論文では,各種ポルトランドセメントを用いた同じ強度レベルのコンクリートを対象に,練上がり温度を20℃および40℃とした室内実験,受入れ時の温度を35℃超とした実機実験を行い,フレッシュ性状の経時変化,凝結硬化,自己収縮,温度履歴,圧縮強度(簡易断熱・模擬部材含む)を測定した。また,マスコンクリートの温度ひび割れ危険度を解析的に評価し,受入れ時35℃を超えるマスコンクリートの適用可能性について言及した。
著者
木野瀬透 吉田夏樹 新大軌 今本啓一
雑誌
コンクリート工学年次大会2023(九州)
巻号頁・発行日
2023-06-16

著者らは,火災によるコンクリートの含水状態の変化に着目し,水を含まないフェノールフタレイン(PP)溶液により約150℃以上の熱を受け,ほぼ絶乾状態となった領域を判断する手法を検討してきた。本研究では,同手法を実際の火害調査に適用することを目的として,経年による自然な乾燥や中性化が進行したコンクリート造建築物から採取したコンクリートコアの加熱実験を行った。その結果,水を含まないPP溶液では先述の領域を,水を含むPP溶液では約600℃以上の熱を受け,中性化により生成したCaCO3が熱分解し,CaOが生成した領域を判断できることが分かった。
著者
岡崎 百合子 岡崎 慎一郎 浅本 晋吾 今本 啓一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.47-60, 2023 (Released:2023-05-15)
参考文献数
35
被引用文献数
1

コンクリートの乾燥収縮挙動に対し,機械学習モデルを構築し,モデルの学習結果を解釈することによって,偏りがあるデータ群の影響を抑制しつつ,各説明パラメータが乾燥収縮に与える主な影響,すなわち支配構造を抽出し,定式化するといった新しいアプローチ法を提案した。本アプローチ法に基づき,コンクリートの配合および骨材の特性が乾燥収縮に与える影響を分析した結果,単位水量と骨材体積をパラメータとした配合の非線形影響や,配合により異なる骨材の吸水率の影響度等,複雑な支配構造が抽出された。抽出した支配構造を定式化した結果,定式による予測値は,実測値の乾燥収縮率を良く再現しており,データの密度が疎になる領域において特に予測精度が改善されることを確認した。
著者
岡崎 百合子 岡崎 慎一郎 浅本 晋吾 今本 啓一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.34, pp.37-46, 2023 (Released:2023-05-15)
参考文献数
38
被引用文献数
1

コンクリートの乾燥収縮に対する要因は,配合条件である単位水量や水セメント比等の影響に加え,近年,骨材自体の収縮に起因する影響が周知の事実となっている。骨材による影響は,土木学会の示方書式や日本建築学会式のひび割れ制御指針において定性的には組み込まれているものの,その複雑性ゆえに十分に解明されていない現状にある。そこで,本研究では,骨材の物性が収縮に与える影響を把握することを目的に,データの裏に潜む支配機構を柔軟に抽出できる機械学習を援用した分析を実施した。その結果,骨材の平均比表面積が支配的な影響力を有し,さらに,配合条件と骨材の平均比表面積が連関しながら収縮へ影響を及ぼすといった支配機構の存在が示唆された。
著者
堀居 令奈 今本 啓一 兼松 学 萩原 伸治 中島 史郎 吉野 利幸 野口 貴文
出版者
日本建築仕上学会
雑誌
日本建築仕上学会 大会学術講演会研究発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

本研究は,窯業系サイディング住宅外装材の維持管理手法を確立することを目的としたものである。外装材は気温変化,風雨や紫外線など直接的に受ける部材であるが,この外装材の維持管理手法として確立されたものはない。実環境下における挙動を把握し,将来的な劣化予測とモニタリング手法からなる維持管理手法を確立する上で,特に外装材の弱点となる目地の挙動に着目し,温度ムーブメントの低減率等について検討した。
著者
下澤和幸 山﨑順二 今本啓一
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2019(札幌)
巻号頁・発行日
2019-06-11

国内では,実構造物の建設時における品質管理の一つの手段として,非破壊試験が導入されるようになり,特に表層透気試験であるダブルチャンバー法[Torrent法]が,かぶりコンクリートの品質評価に適用されてきている。しかし,本試験の測定値の評価基準は未だ整備されておらず,その評価には海外での検査指針等に示された基準値を参照しているのが現状である。本論では,実構造物を模擬したコンクリート試験体による透気試験や物性のデータをもとに,透気係数と中性化速度係数との関係を求め,ダブルチャンバー法による透気試験データを評価するための指標値の一案を示した。
著者
大即 信明 鎌田 敏郎 今本 啓一 長田 光司
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.52, no.8, pp.638-643, 2014

日本コンクリート工学会では,コンクリートのひび割れ調査,補修・補強指針-2013-を同指針-2009-の小改訂版として刊行した。この指針は,ひび割れに関心のあるすべての方が,ひび割れ発見から,調査,原因推定,評価,判定,補修・補強を体系化して行える指針である。本稿では同指針の内容を解説する。
著者
庄司 慎 盛岡 実 横関 康祐 今本 啓一
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.215-221, 2016
被引用文献数
1

<p>セメントペーストを強制的に炭酸化し、加熱に伴う変化を検討した。封緘養生したセメントペーストは400℃以上に加熱すると水酸化カルシウムが分解し、0.1μm程度の空隙が増加した。一方、強制炭酸化養生を施したセメントペーストは600℃まで加熱しても相組成の変化や空隙構造に大きな変化は見られなかった。700℃に加熱すると、0.01μm程度の空隙が増加した。また、水硬性に乏しく炭酸化に活性が高いγ-C<sub>2</sub>Sを結合材の一部として使用したところ、加熱後の空隙量は減少した。</p>
著者
加藤猛 今本啓一 清原千鶴 山崎順二
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2018(神戸)
巻号頁・発行日
2018-06-20

透気試験によって仕上材付きコンクリートの中性化速度の評価を行うためには仕上材およびかぶりコンクリートの透気性をそれぞれ適切に評価する必要がある。そこで仕上材付きコンクリートの透気性をダブルチャンバー法およびドリル削孔法により測定した。さらに両者の測定結果を複合させることを試みた。中性化速度評価手法の適用性を実験的に検討するために4種類の仕上材と3種類の基材コンクリートを組み合わせた試験体を作製した。検討の結果,ダブルチャンバー法およびドリル削孔法の透気抵抗性を複合させた手法による中性化速度評価の可能性と評価区分案を示した。