著者
岡本 眞理子 Mariko Okamoto
出版者
日本福祉大学経済学会
雑誌
日本福祉大学経済論集 = The journal of economic studies (ISSN:09156011)
巻号頁・発行日
no.51, pp.1-12, 2015-09

少額の融資をあつかうマイクロファイナンス機関は,発展途上国の農村住民,とりわけ女性達に金融へのアクセスを可能にし,金融インフラを実質的に提供してきた.しかし,その中には,メキシコのコンパルタモス銀行のように,実効年利子率が100%を超える高金利で無担保融資を行ってきたところがある.それらの金融機関の利子率はなぜそれほど高いのかについて,想定される諸要因を他のマイクロファイナンス機関と比較しつつ検討した.その結果,極めて小額であり短期貸し付けであることや,融資方法と地域特性のゆえに運営費が極めて高くなることが主たる要因であることを明らかにした.また,借り手にはなぜそれが受け入れられているのかについて,現実に支払われる利息額の小ささ故に事業を圧迫するものとはならないことを示し,また短期ローン利子率の年利換算が借り手にとっては重要ではない可能性を示唆した.
著者
岡本 眞理子 Mariko Okamoto
雑誌
日本福祉大学経済論集
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-12, 2015-09-30

少額の融資をあつかうマイクロファイナンス機関は,発展途上国の農村住民,とりわけ女性達に金融へのアクセスを可能にし,金融インフラを実質的に提供してきた.しかし,その中には,メキシコのコンパルタモス銀行のように,実効年利子率が100%を超える高金利で無担保融資を行ってきたところがある.それらの金融機関の利子率はなぜそれほど高いのかについて,想定される諸要因を他のマイクロファイナンス機関と比較しつつ検討した.その結果,極めて小額であり短期貸し付けであることや,融資方法と地域特性のゆえに運営費が極めて高くなることが主たる要因であることを明らかにした.また,借り手にはなぜそれが受け入れられているのかについて,現実に支払われる利息額の小ささ故に事業を圧迫するものとはならないことを示し,また短期ローン利子率の年利換算が借り手にとっては重要ではない可能性を示唆した.